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欧州連合はダライ・ラマの後継者選びにあたり中国がチベット仏教の伝統を尊重するよう求める

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ニュースフラッシュ(フラッシュモバイル)
2020年4月9日
ブリュッセル

欧州議会チベット支援グループの就任記念写真。EUへの質問を提出したメンバーが写っている。

「欧州連合(以下EU)は、ダライ・ラマの後継者選びにあたり、中国がチベット仏教の伝統的な手順を尊重するよう一貫して求めてきました。このことは2019年4月1日の会議においても確認され、EUは引き続きこの問題について、同様の見解を表明いたします。」欧州議会議員のペトラス・アウストレヴィチュウス(リトアニア)、アウシュラ・マルディキエネ(リトアニア)、ハンネス・ハイデ(オーストリア)、フランシスコ・ゲレイロ(ポルトガル)、ペトラ・デ・サター(ベルギー)の質問に対し、EU外務安全保障政策上級代表局長かつ欧州委員会副委員長ジョセップ・ボレル氏は、このように書面で回答しました。

この質問は、ダライ・ラマの転生と中国の干渉に関してEUの立場を問うものであり、これがEUの公式見解ということになります。

前述の欧州議会議員たちはチベット人の親しい友であり、ブリュッセルのチベット亡命政権代表部事務所を通じて互いに尊重し会える関係を築いています。彼ら全員が欧州議会内のチベット支援グループ(TIG)で活動しています。またブリュッセルのチベットのための国際キャンペーン(ICT訳注:本部はアメリカ 会長はリチャード・ギア)は、この問題のために精力的な運動を行ってくれました。

以下が質問と回答の全文です。


EU外務安全保障政策上級代表局長かつ欧州委員会副委員長に対する、書面による回答を必要とする質問状(E-000811 / 2020 手続規則138)

ペトラス・アウストレヴィチュウス、アウシュラ・マルディキエネ、ハンネス・ハイデ、フランシスコ・ゲレイロ、ペトラ・デ・サター

    • 主題:近年のダライ・ラマの継承への中国の干渉について
      中国政府は、チベットの精神的指導者であるダライ・ラマの転生に介入するつもりであることを、繰り返し明らかにしている。これは、外国の干渉なしにダライ・ラマが指名され続けてきたという何世紀にもわたるチベットの歴史に反するのみならず、自らの伝統的な宗教習慣に基づき自らその宗教指導者や導き手を選ぶという信教の自由の権利、すなわち彼らの基本的人権を侵害している。これに応えてアメリカでは2019年、連邦議会において「チベット支援法」が提出され、将来のダライ・ラマおよび他のチベット仏教指導者の任命は、チベット仏教コミュニティの決定に基づいてのみ可能であると明言している。またオランダとベルギーの外相はこの見解を共有している。ダライ・ラマの継承に関するEUの立場はどのようなものか、また EUはこの問題に対してどのような具体的な措置を講じるつもりであるのか。2020年3月4日(E-000811 / 2020)
    • ボレル上級代表/副委員長からの回答
      EUは、宗教または信仰の自由に対する制限についての懸念を定期的に表明しており、特に新疆ウイグル自治区およびチベットにおけるマイノリティに属する人々の権利を尊重するよう中国に求めてきました。この立場は、国連人権理事会(UNHRC)と国連総会の第3委員会で公に表明され、中国当局との接触により二国間でも提起いたしました。 EUと中国間の人権対話の枠組みの中でも、EUは、中国がチベット仏教の基準に従ってダライ・ラマの継承を尊重するよう期待していると一貫して示してまいりました。この見解は、前回の2019年4月1日の会議でも取り上げております。EUは、引き続きこの問題についての立場を表明し続けます。注:公式テキストはフラマン語(訳注:ベルギーの公用語の一つ。ここではその英訳から翻訳)

ブリュッセルチベット亡命政権代表部事務所


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(翻訳:ミタニーヌ)