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来日中のダライ・ラマが会見、「宗教の調和が使命」

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(2007年11月17日 日経新聞)

来日中のチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は17日、三重県伊勢市の皇学館大学で記者会見した。自らの活動について「異なる宗教の相互調和を図るのが使命」と強調し、今後も外国の宗教家らとの交流を続ける決意を語った。インド亡命中の立場に触れて「亡命中に死ぬ場合は、中国以外で生まれ変わりが発見され、使命を引き継ぐ」などと中国への反発をにじませた。

来年の北京五輪を前に、中国がダライ・ラマを「分裂主義者」とする批判を強めている点には「(自分は)チベットは中国に属すると言明している。批判理由が分からない」と反論。「チベット亡命政権は2001年に主席大臣を民主的に選び、政治的決定権は主席大臣に移っている」とも指摘した。

後継者の選出法にも言及。(1)選挙で高僧の中から決定する(2)自分が死ぬ前に指名する(3)自分の死後に生まれ変わりを探す——の三つの可能性があると説明。死後に生まれ変わりを探し出すという伝統的な「輪廻(りんね)転生制度にこだわらない考えを示した。

記者会見で笑顔を見せるダライ・ラマ十四世
=17日、三重県伊勢市の皇学館大〔共同〕