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尼僧の死は防ぐことができた、と人権擁護団体は語る

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2001年12月19日
北京(AFP)

今年初め服役中に死亡したチベット人尼僧は、死亡当日まで病院に収容されていなかった。死亡も、獄中での虐待で病状が悪化したためらしいと、チベット監視団体が水曜発表した。

ンガワン・ロチュ28歳は、2月、チベットの首都ラサのドラプチ刑務所から病院に収容された後に死亡したと、ロンドンに本部を置くチベット情報ネットワーク(TIN)が発表した。

TINによれば、この若い女性が早期に適切な治療を受けていたら死亡しなかっただろうという証拠が出てきたということである。

TINは、ンガワン・ロチュは死亡当日まで病院に移送されなかったと中国人役人が語っているとしている。

同尼は急性膵臓炎と呼吸器及び心臓機能不全だった。

TINが記事中で引用した西洋人医師は、尼僧の主な死因は膵臓炎のようであり、おそらくそのために心肺不全になったのだろうとしている。

「もし患者が健康であれば、一般的に、この病状は治療できる」と、拷問被害者のための医療財団の医師ジョン・ランドルは語った。

「しかし、ンガワン・ロチュは鞭打ちと絶食を含む虐待を数年間受けたために衰弱していたようだ。これが死につながったのだろう」とランドル医師は述べた。

ドラプチ刑務所の囚人はしばしば鞭打ちと絶食の虐待を受けている、とTINは指摘した。

同尼は、刑務所での公式式典中に、亡命中のチベットの精神的指導者ダライ・ラマを支持するスローガンを囚人たちが叫ぶ抗議行動を行った後、1998年5月に鞭打ちの刑を受けた多数の女性受刑者の一人だった。

苛酷な虐待のために、1ヶ月後、5人の尼僧が死亡したとTINは述べた。

ンガワン・ロチュは、もう1年で10年の禁固刑が終了するはずだった。

TINによれば、彼女はラサの平和的抗議行動に参加したため、1992年、19歳で初めて投獄された。「反革命プロパガンダ及び煽動」活動に参加したとして起訴されたのだ。

ドラプチ刑務所で13人の尼僧とともに、家族にあてて希望のメッセージと刑務所の状況を伝える歌をテープに録音したために、彼女の刑期はさらに5年延長されたと、TINは述べた。

中国は「平和解放」と称する軍事行動で1951年にチベットの支配権を握り、それ以来、多くの反対者を逮捕して、このヒマラヤ山岳地帯を強硬支配してきた。

人権団体は、チベットの文化と宗教的自由を広範囲で抑圧しているとして、中国を非難している。

中国政府は、チベットの独立支持運動や、ダライ・ラマ支持の動きをすべて厳格に抑圧している。