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少数民族競技大会開催中チベット人が拷問され死亡

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1999年8月

8月にラサで開催された少数民族競技大会の期間中、ポタラ広場で中国国旗を引き降ろして抗議行動を行おうとしたチベット人1人が、逮捕された際に激しく殴られ、病院で死亡した。

信頼すべき非公式情報によれば、30代の建設請負業者タシ・ツェリンは警察病院で死亡した。中国国旗を降ろしチベットで禁じられているチベット旗を掲揚しようとして逮捕・拘束されていたのである。タシ・ツェリンは治安当局に拘束される前、自殺を図ろうと体に巻き付けていた手製の爆発物へ点火しようとしたが失敗したという。

確かな情報筋によると、タシ・ツェリンは逮捕時に4、5人の治安警察官に激しく殴られたため、手や足、腕が骨折したらしく、頭部を車の後部に打ち付けられ警察車両に収容される頃には歩くことすらできなくなっていたという。この頭部の負傷が死因につながったとみられている。タシ・ツェリンを最初に逮捕した交通規制任務の警官は、公安の維持に貢献したとして当局に顕彰された。

未確認情報によれば、タシ・ツェリンの妻ラドゥンは夫が逮捕された後、尋問のために拘束されたという。ラサの彼らの自宅は「分離主義」活動の証拠を見つけるため徹底的な家宅捜索が行われ、近所の家も捜索の対象になったという。

非公式情報は、8月末のタシ・ツェリンの抗議行動の後、彼の親戚が尋問のために拘束された可能性を示唆している。タシ・ツェリンはチベット自治区ロカ県の生まれ、大工として働くためラサにやって来て、5年ほど前から建設請負業を営んでいた。小学校等を再建して地域から功労賞を受けたこともあった。