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大阪での法話会の結び

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2016年11月13日
大阪

昨日の昼食休憩後、ダライ・ラマ法王はシャーンティデーヴァ(寂天)の『入菩薩行論』の法話会を再開された。

3日間の法話会2日目、大阪の清風学園大師ホールで法話をされるダライ・ラマ法王。2016年11月12日、大阪(撮影:ジグメ・チョペル)

法王はテキストの大切な部分を要約して説明され、その中で以下のことを強調された。すなわち、もしこのテキストを最初から最後まで通して勉強する時間がないならば、テキストの中で最も大切な章は忍耐について説いている第6章と、自分と他者は平等であると瞑想することと、自他の立場を入れ替える瞑想をすることによって菩提心を育むことを説いている第8章である。法王はまた、智慧について説いている第9章を理解するために、ナーガールジュナ(龍樹)、アーリヤデーヴァ(聖提婆)、チャンドラキールティ(月称)及びブッダパーリタ(仏護)の中観についてのテキストを勉強することを奨められた。それ以外にも、仏教・非仏教を問わずインドに広まった様々な哲学体系について解説したバーヴァヴィヴェーカ(清弁)の『思択炎』について紹介された。『思択炎』を学ぶことによって、中観思想確立の背景やその意義を他の見解に照らして理解することができる。

翌朝授与する予定であると告げられたチッタマニターラの許可灌頂と本灌頂に関連して、法王は密教の修行について少し時間を取ってお話された。密教が間違って解釈されることがないように、通常、公の場で語られることはないが、法王はこのような秘密の修行についても、この場で説明し、明らかにしておくことが望ましい、とお考えである。密教において秘密にしておくべきとされる教えを、このように多くの人に対して開示することへの非難があるならば、その責は大変多くの人々に密教を説いたチベットの過去の導師たちに帰せられるべきであろう、と法王は述べられた。

大阪での法話会最終日にチッタマニターラの許可灌頂と本灌頂を授与されるダライ・ラマ法王。2016年11月13日、大阪(撮影:ジグメ・チョペル)

今朝、法王がチッタマニターラの許可灌頂と本灌頂の準備儀式を執り行なうために会場に到着されると、ホールには既に若干の聴衆が着席していた。法王が準備の儀式を行なわれる間、聴衆はターラー菩薩の真言を唱えた。千人の聴衆の多くは日本全国の寺院から参集した住職や僧侶たちである。

灌頂が終わると、この灌頂の実行委員長である菅智潤師が参加者全員を代表して法王にお礼の言葉を述べた。そして清風学園理事長の平岡英信氏もこの学園で法話会が行なわれたことへの感謝を法王に伝えた。

法王は灌頂実行委員会のメンバーとの昼食会に出席され、その後清風学園の教師と職員たち、そして僧侶のボランティアスタッフとの記念撮影に応じられた。

明日法王は、日本における密教の伝統の一宗派である高野山真言宗の総本山、高野山に向けて出発される。