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国連にコペンハーゲンサミットでのチベット環境の検討を要請

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(2009年11月25日)

(バンガロール)あるチベット人環境研究者は、中国、パキスタン、インドの何億もの生命を支えるチベット高原の気候変動による壊滅的な影響を浮き彫りにし、チベット高原、ヒマラヤ地方の特別な環境状況を来月コペンハーゲンで開催される機構変動サミットで公表することを、国際社会は国連に求めるべきだと述べた。

チベット亡命政権の研究者トントゥプ・ドルマ(Dhondup Dolma)はチベット高原の重要性についての講演で、チベット高原の気温上昇は急速な氷河溶解の引き金となり、50〜60%の水をチベットからの流れ出す水に頼っている中国、インド、ミャンマー、タイ、アジア諸国の生活に影響を与えるだろうと述べた。

この講演は、昨日成功裏に終了した、バンガロールにおける3日に渡るサンキュー・インドフェスティバル、亡命50周年での一連の講義のひとつである。

チベットの劇的な気候変動の原因の一部は中国政府の失策が原因であるとトントゥプ・ドルマは言う。

人民解放軍のニーズ、採掘、インフラ整備、遊牧民の移住のために50年代初頭に行われた、ダム建設、国際河川の流れの転換、草原から農耕地への転換による湿地帯の砂漠化、乾燥などが失策として挙げられる。

伐採など、チベットの天然資源の搾取は中国、インド、バングラディッシュ、アジア諸国での洪水の発生の引き金になるだけでなく、気候変動との闘いにおいて、森林がおよぼす役割、チベットの自然環境をむしばむであろうと、彼女は警告する。

インド亜大陸ブラフマプトラ川は毎年のように氾濫する。森林破壊による地滑り、土壌浸食によってベンガル湾への沈泥流出は増え続けている。堆積物2億トンのうち3分の1がバングラディッシュの平野部に堆積、このため川が浅くなり、毎年のように悲惨な水害を引き起こしている。

2005年6月に起こったサレージの鉄砲水は、チベット高原でのパリー川の急激な水位上昇が原因であった。最終的に、2005年6月の洪水は213,060人に影響を及ぼし、被害額は33億6千万ルピーに上った。この洪水はWangtooとSamdhoの間のKinnaur地方全体、Lahaul-Spiti地方のSpiti区域の住民にも影響を与えた。

中国−青蔵チベット鉄道もチベットの地形の変化に影響を与えており、草原のような炭素吸収源や、同様に気温上昇につながる永久凍土に深刻な影響を与えていると言う。

「チベットの環境破壊が止められない限り、全アジア、そして国際社会は水問題について、差し迫った危険な状態にある。」と観衆からの問いにタクラ大臣(チベット亡命政権情報・国際関係大臣)は答えた。

「亡命中のチベット人の資源は限られているが、チベット人のコミュニティーは人類として、チベット高原の気候変動による壊滅的な影響について国際社会に啓発を促すことに取り組んでいる。」とタクラ大臣は言う。

「チベットの環境破壊に目を向けない限り、人類は間違いなく苦難を強いられることになることを伝えたい。」とタクラ大臣は付け加えいた。


(翻訳:嘉村)