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中国:チベットにおける集中的な監視プログラムの拡張: ヒューマン・ライツ・ウォッチ

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2016年1月18日
ダラムサラ

 

本日、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、中国当局は2014年に終了する予定であったチベット自治区(TAR)の村々における集中的な監視プログラムを、無制限に拡張したと報告しました。加えて、中国には前例のない「村単位での共産党幹部チーム」計画は、恒久的になるであろう兆しがあると伝えました。

A surveillance camera is seen in Lhasa, Tibet, with the Potala Palace in the background in January 2011.

2011年に配備されたこの集中的な監視プログラムの延長は、チベット人の間でのあらゆる反対意見や批判の兆候を抑制するための中国当局の姿勢の現われであると見られています。これには、チベット人に対して政治的、宗教的見解について質疑すること、政治的教化を受けさせること、また、彼らの行動を監視するために派閥治安部隊を確立し、拘留または他の処罰につながる可能性のある情報を収集することが含まれます。

「チベットにおける集中的監視プログラムを拡張するという中国政府の決定は、無期限の継続的人権侵害にほかならない」、そして「チベット人の永久的監視は常態化している」と中国のディレクターであるソフィー・リチャードソンは述べています。

更に、彼女は中国の中央・地方当局に対して、このような抑圧的な対応をただちに廃止するように訴え、「中国の監視プログラムは公然にそして大規模に、中国と国際法の下で保護されたチベット人の基本的権利を侵害している」と述べています。

2011年、中央政府は2008年にチベット高原に広がる抗議の再発を防止するために「大衆の利益」として知られているオーウェルキャンペーンを開始しました。このキャンペーンでは、郡や都市部から約21,000の共産党の幹部をTAR 内の5,000の各村々に移住させ、そこで彼らを各4人以上のチームで生活させました。地方政府予算の25%以上を費やしたこの組織は、3年間続く予定でした。中国において、このような長期間で大規模な計画は前例がありません。過去において、常勤の政府・党管理者が駐留された場合、郡以下の管轄で長期間に駐留された例は極めて稀でした。

当初、この村単位での共産党幹部チームの目的は、村におけるサービスおよび物資の条件を改善するものとして説明されましたが、2011年のTARの党の指導者によると、彼らの基本的な要件は、 村々をチベットの独立とダライ・ラマをサポート関連の分離主義に対抗する「要塞」にすることでした。これは、各村に新しい共産党組織を設定し、地方治安組織を確立し、村人やその他の情報を収集することによって行われました。また、このチームは「党の厚意を感じる」ことなどのトピックについて、村人の再教育することを要求されました。

この村単位の共産党幹部チームは、TARの郡や都市部からの党関係者、行政官、政府の企業と作業班、人民武装警察と公安部隊のメンバーで構成されています。


(翻訳:ガン・キー)