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中国語メディア 中国社会におけるダライ・ラマに対する認識の変化について論ず

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(2003年12月31日 インターナショナル・キャンペーン・フォア・チベット

 

■ 中国・チベット関係のオブザーバー紙「了望西蔵」

ワシントンに拠点を持ち、中国とチベットの関係の中国語のオブザーバー紙「了望西蔵」が、2003年12月の最新号で、中国社会におけるダライ・ラマの認識の変化について論じた。

■ 中国の著名理論家

現在アメリカ合衆国に居住している中国の有力な理論家の蘇紹智は、チベット問題解決にあたり、ダライ・ラマの政治的発議権に対し中国側が現ダライ・ラマ存命中に解決する必要があると分析している。蘇紹智によると現ダライ・ラマの中道政策は中国に有利であるとしている。さらに中国に、ダライ・ラマが青海省、雲南省、四川省を含むチベット全土にとりまく問題解決を求めた際に混乱が起きないよう、協力を求めた。また、現在世間一般的には独立した自治体として認識されているそれらの地域で中道政策が理解された際には、それらの地域は純粋な自治体となるだろうとしている。さらに、チベット問題はダライ・ラマ存命中に真剣な交渉により解決されるべきだと述べている。 また中国政府に対し、ダライ・ラマの帰国を恐れるべきでないと提言している。ダライ・ラマはただ布教活動を実行している人物に過ぎないとも述べている。

■ 香港の「オープン」誌の編集長

香港の「オープン」誌の編集長カイ・ヨンメイは記事「ダライ・ラマの奇跡的創造 (The Miracle Created by the Dalai Lama)」と題した記事の中で(→記事原文)、ダライ・ラマの中道政策は通常の政治的概念に基づき行なわれ、チベットの利益に付け加え、中国側にも利益が十分考慮されているとしている。また、中道政策はチベットに自由をもたらしチベット独自の民俗や文化の実現を可能にするとし、(中国側が)チベット問題を解決するためにダライ・ラマが死ぬのを待っているようなら、それは中国側にとって損失でしかないだろうとしている。また、中国の民主主義者は中国政府に対しダライ・ラマとの対話を始めるよう、圧力をかけるべきだとしている。

■ 中国語雑誌「多維時報」の記者

中国語の雑誌「多維時報 Deowei Times」のジィアン・ルーキン特別記者は、2003年12月、「偉大なカリスマ、ダライ・ラマはどこからきた?」と題した記事の中で、ニューヨーク市セントラルパークでのダライ・ラマの公開演説の様子を報告している。例えば、セントラルパークにて大勢の中国人たちに取材し、ある中国人男性は、「チベット問題、政治、そして人種をはるかに超えたため、ダライ・ラマを認めるに至った。ダライ・ラマはいかにして我々がお互いに世界に平和と愛をもたらすかについて、シンプルな言葉で伝えた」と語った記事が掲載されている。記事では、ダライ・ラマの講演を聴きに来た様々な団体の人々は、ダライ・ラマの平和へのイニシアチブに対し協力を示したことが述べられている。

■ 「ボイス・オブ・アメリカ」の中国人コメンテーター

米国政府のラジオ局「ボイス・オブ・アメリカ」のコメンテーターのラン・ティアンは、「ダライ・ラマ訪米について」と題する記事の中で、2003年9月のダライ・ラマの訪米における歓迎会について述べているほか、ダライ・ラマ訪米について中国政府が非難したことを批判し、「訪問は中国政府にとっても有益なことである」と述べている。

■ 欧州駐在の中国人ライター

ヨーロッパに基盤を置き活躍している中国人ライターのモリ氏は、「チベット亡命政権の重要課題(A Headache Issue for the Tibet Government in Exile)」と題した記事で、チベット(亡命)社会におけるチベット独立に向けた奮闘の様子や、中道政策の取り組みについて記載している。また、チベット独立のための西側諸国の援助、および援助者の背景について述べている。2003年9月のダライ・ラマの訪米時のブッシュ大統領との会議、さらに大勢の参加者があったワシントン、ボストン、ニューヨークにおいての講演、ダラムサラで行なわれた亡命チベット代表者議会(第六期)でチベット・中国間交渉についても報告している。

最近のニュースでは、プラハで開かれた「第4回チベット支援団体会議」がプラハで開かれ、その機関紙がチベット人をはじめ中国人や米国人のチベット学者が参加した「チベットの未来に関するパネルディスカッション」を行なったこと、元チベット政治犯パルデン・ギャッツォの伝記の中国語版の出版発表などを掲載した。機関紙には1950年代後半にチベット民族解放軍に亡命した中国人の元大佐ロプサン・タシの伝記が連載された。