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中国政府のチベット文化白書 チベットにおける文化的ジェノサイドを隠蔽

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2000年6月28日
ダラムサラ

チベット亡命政権国際関係及び情報省のT.C. テトン大臣はこう語る。

「中国政府によるチベット文化に関する白書は、北京訪問中のオルブライト米国務長官が述べたように、中国はチベット独特の文化遺産の破壊を続けているというアメリカの批判をかわすために時期をみはからって公表されたものである」

1999年の合衆国による在ベオグラード中国大使館誤爆以来、中国を訪問した最上位の合衆国官僚が、このオルブライト国務長官になる。オルブライト国務長官はクリントン大統領から、中国首脳部との会談でチベット問題を取り上げるよう指示を受けていた。それは、クリントン大統領がダライ・ラマ法王とホワイトハウスで会談した際に約束したためで、この困難な問題を平和的に解決するために、チベット政府指導者と交渉を始めるよう北京の中国首脳部に促すものであった。

中国の国家審議会情報局は、オルブライト国務長官の滞在中に白書を発表した。白書では、ダライ・ラマ自身に対して、また、「中国はある種のチベット文化抹殺を企てている」というダライ・ラマのコメントに対しても厳しく非難している。白書では、「『中国が継続的な政策としてチベット独特の文化を一掃しようとしている』というダライ・ラマ側の批判は、チベットの古い封建制度を存続させようという無駄な努力である」と述べている。

「中国政府がどんなに多くの白書を発行したとしても、実際の問題を変えることはできない。中国はチベット独自の文化の存在をチベット統治における脅威とみなし、チベット高原を中国化する組織的なキャンペーンを投じたのだろう」と、前述のT.C. テトン大臣は言う。

「新しい白書では、チベット文化の発展は、チベットにおける中国政府の実際の政策とは合致しないと主張している。1993年の成都での秘密会議で、中国政府はモンゴル内部で行ったように、チベットにできるだけ多くの中国人入植者を入れることで、チベット人が蜂起できないようにすることを決定してる」

「クンブム僧院のアギャ・リンポチェ、カルマパ17世、そして何百ものチベット人が危険な山越えをして毎年中国を脱出することは、中国政府による文書上の美辞麗句が実際の中国の政策と一致していないことに対する痛烈な批判となるもの」と、T.C.テトン大臣は続ける。

「白書を発行して、チベットではすべてうまく行っていると宣伝する替わりに、中国が本当に国際社会にチベットでの人権政策が国際的基準に達していると証明したいのなら、中国がすべき論理的行動は、様々な人権擁護組織を招待して彼らに状況を評価してもらうことである」とT.C. テトン大臣は提案している。

「これまでチベットは、記者や、国際的メディアに対して厳しく閉ざされてきている。もしチベットにおける状況が中国の主張するように良いものであるなら、なぜ中国政府の首脳部は、報道記者たちにチベットの取材を許可して判断を委ねないのだろうか」

白書の中のダライ・ラマへの非難に対して、T.C. テトン大臣は、「ダライ・ラマ法王が真の自治権を得たチベットに戻ったなら、法王はチベット人の政治的指導者の立場から退き、チベットは選挙で選ばれた人々によって治められることになるだろう」と語っている。

「中国政府によるダライ・ラマに対すr非難は、チベットにいるチベット人のダライ・ラマに対する忠誠心をなくさせ、チベット人により統治されたチベットという未来を望む彼らの心に疑いの種を蒔くためでもある」とT.C. テトン大臣は言う。

「チベットで中国政府関係の施設で働くチベット人は、将来に関して心配する必要はない。彼らの技術、才能は、チベット人が自分たち自身のことを決定することができるようになった未来のチベットで、十分活用されることとなる」