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中国の新たな政策「売春婦で僧侶を誘惑」

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1999年5月・6月
チベット亡命政権発行「TIBEATN BULLETIN」

[1999年3月28日ラサ]

中国当局は、チベットの寺院を売春婦と賭博師で溢れさせようとしている。それは、僧侶たちに恥辱を与え、仏教の信条に傷をつけさせようとする最新の策略である。

中国側の新たな運動の1番の標的は、侵略以前に歴代ダライ・ラマの居住地であったポタラ宮である。信頼のおけるチベット情報筋によると、仏教の誓いを破らせるため、さらには賭博を助長させるため、中国人売春婦が送られて来ているらしい。

過去2年間、多くの中国人、特に女性にチベット語が教えられ、有名な僧院の僧侶たちを誘惑するよう訓練されている。ポタラ宮では、至る所に監視カメラが設置され「現場」を掴もうとしている。僧侶と売春婦の「偶然」の出会いを撮影し公表するのが目的である。また中国が多くの僧侶を強制的に密告者にしているという問題も生じている。事実、40%もの僧侶が僧衣を着た中国人兵士である、とチベットの反対制グループは主張している。

僧院内に売春婦を入れるという試みは、チベット文化と宗教の根絶を目的とした40年続く対宗教政策の中での最新の戦術だ。ラサの中国当局は、反体制抑圧政策として、チベット人、特に僧や尼僧を対象に仏教の信条やチベットの指導者ダライ・ラマ法王への忠誠心を放棄させようとした強硬な宗教弾圧を続けてきたが、このほど中止した。

1994年、僧と尼僧の「再教育」に焦点を置いた対宗教政策が施行されて以来、どんなに遠く離れた地域でさえも僧たちを「改造」するため、活動グループが僧院に送り込まれている。このキャンペーンの最大の目的は、チベットを無宗教国家にすることにある。

ロンドンに本拠を置くTIN(チベット・インフォメーション・ネットワーク)によると、今年初めラサで行われた共産主義宣伝機関(Communist Propaganda Department)の会議において、「経済発展の促進と反ダライ・ラマ勢力の強化には無宗教が必要」との発言があった。

これから3年計画のキャンペーンは、チベットを無宗教にするためメディアと活動グループが使われることになるだろう。反体制派の指摘によると、同日の会議で、「中国政府はチベット仏教の信仰の自由を守ることを明言した」とのプロパガンダを放った。

しかし実際には、表現の自由や信教の自由はほとんどない。僧たちは毎日、何らかの問題に直面している。ラサに近い尼僧院を訪れた際、警官と役人がぎっしり乗った車が8台やって来た。彼らが尼僧の半分を地方に送り出す計画だと後で知った。僧と尼僧を地方へ送る政策は、刑務所の中でさえ異議を唱える者が増えている。

昨年5月には、北京駐在英国大使を含むEU代表団がラサのドラプチ刑務所を訪れた際、受刑者のデモが発端で12人の死者を出す事件が起きた。その1ヶ月後には、抵抗運動を指揮したと疑われていた7人の尼僧が独房で死んでいるのが発見された。ドラプチ刑務所で死者を出したこの事件は、今年ジュネーブで開かれた国連人権委員会の定例会議では取り上げられず、チベット問題は無視された結果となる。チベット本土では、こうした虐待が続いているにもかかわらず、欧州連合は中国に対する人権不信任案決議を通過させないことを決定した。

刑務所の現状に関するTINの最新の報告書によると、以前よりも刑務所内における死の危険が増大している。拷問用具としては、牛追い棒と呼ばれるものが使われていたが、最近では、電気ショック棒が代用されている。3年間、拘置所で継続的にこの器具で暴行された尼僧は、服を着るために立ち上がることが出来なくなってしまった。おそらく彼女は、その傷によって1年以内に死んでしまうことになるだろう。