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中国に関する連邦議会・行政府委員会による2020年 年次報告

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2021年1月16日
USA、ワシントンDC

中国に関する連邦議会・行政府委員会(CECC)は、議会と米国大統領に対する人権状況や中国における法支配の発展状況に基づく勧告を詳述した年次報告書(2019年7月1日から2020年7月1日までの間の事象に基づく報告書)を発表した。

中国に関する連邦議会・行政府委員会は、評論家に対する脅迫、検閲(インターネット、学界、ジャーナリズム)そして外国政府や市民に対する干渉など、中国共産党による、さらなる抑圧的な方策に対する懸念を強調した。チベットに加えて、香港、東トルキスタン(新疆ウィグル自治区)そして台湾における表現の自由は、外資系企業に対して影響を与えるための中国による一致協力した取り組みにより制限されている。

報告書の詳細については、こちら【中国に関する連邦議会・行政府委員会ホームページ】を参照(チベットに関しては322頁から)。

過去数十年と同様に、中国に関する連邦議会・行政府委員会は、ダライ・ラマ14世法特使と中国共産党との間おける公式交渉が進展していない状況を認めている。

中国共産党が、ダライ・ラマ法王や他のチベット仏教高僧の輪廻転生制度への介入を断言するなど、チベットにおける宗教の自由は悪化し続けている。また、中国共産党は、僧院の仏教徒らに対し、冒涜的で偏重した行動様式を強要している。

いわゆるチベット「自治区」の政府は、分離主義を封じ込めるという名目で、チベット人を抑圧するためのより厳しい措置を課す民族統一規則を可決した。報告書に記載されているとおり、民族統一条項には、「宗教の中国化」に向けてメディア組織による宣伝活動の増大、美術館や教育現場における民族統一宣伝活動の履行そして、民族統一の目的を混乱させる可能性のある表現の犯罪化が含まれている。

中国が実効支配するチベットにおいて、恣意的なチベット人の拘禁が常態化している。中国に関する連邦議会・行政府委員会は、懸念される2人のチベット人政治犯として、ワンドゥ氏とアーニャ・センドラ氏を挙げた。中国当局は、2008年、エイズ啓発運動家で元チベット僧のワンドゥ氏のほか3人のチベット人に対して、「チベット人による蜂起」を刺激する資料を配布したことと、チベット人を亡命させる資料を収集したことで終身刑を宣告した。

また、汚職防止活動家のアーニャ氏は、「We Chat」アプリのグループを活用して、地元住民を政府に反対させた事実で起訴された後、2019年に7年の懲役刑を宣告された。

アーニャ氏の妻は、遊牧民を再定住させるための貧困軽減基金から横領したとして中国人の役人を告発した報復措置として、中国当局が、アーニャ氏を拘禁したと主張している。

年次報告による下院議員及び行政当局者に対する中国に関する連邦議会・行政府委員会勧告:
  • 2020年12月末に可決された2020年チベット政策支援法を制定する。
  • 次官級以上のチベット問題担当特別調整官を任命する。
  • 中国共産党に対し、宗教の自由を尊重しチベット仏教に対する干渉をやめるよう奨励する。
  • 中国共産党に対し、ダライ・ラマ法王との対話を再開するとともに、ダライ・ラマ法王を安全保障上の脅威とみなすことを控えるよう要請する。
  • 中国共産党に対し、人権の要求を目的として平和的に活動したことで拘禁された政治犯を釈放するよう要請する。
  • 中国共産党に対し、1995年に中国共産党が強制失踪させたゲンドゥン・チューキ・ニマ氏(パンチェン・ラマ11世)と国際機関構成員との面会を許可するよう要請する。

(翻訳:仁恕)