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中国、チベット交渉のアプローチ変更を迫られる

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(2010年3月11日 Tibet.Net )

(ダラムサラ) 今週、ストラスブールでの本会議開会にあたり、イェジ・ブゼク欧州議会議長は中国政府指導部に対し、アプローチを変更し、ダライ・ラマ法王の特使との対話を再開するよう呼びかけた。

「3月10日は、チベットで民族蜂起が起きて51周目の記念日である。8万人の支持者とともに、ダライ・ラマ法王は亡命を強いられた。中国政府指導部に対して、アプローチを変更し、ダライ・ラマ法王の特使との対話を再開することを我々は常に望み、それを絶えず呼びかける。」イェジ・ブゼク氏はこのように語った。

3月10日の国際チベット記念日に際し、何百人もの欧州議会議員がストラスブールでの本会議中、チベット国旗を机に置いた。欧州議会議員たちは、チベットの現状に関する欧州議会人権委員会議長の演説に拍手を送った。

「国旗のキャンペーン」の主催者であり、欧州議会チベット・グループ議長、トーマス・マン議員によれば、「3月10日は哀悼の日である。また思想と言論の抑圧、人権侵害、文化的・宗教的アイデンティティの抑圧に対する団結と抵抗の日でもある。今日、世界の至る所で、チベット国旗が公の建物に揚げられている。毎年、欧州連合内の何千もの都市や自治体が、この行事に参加する。欧州議会議員たちは今日、チベットの人々と連帯しているという強い合図を送った。」

外交上の行き詰まりを打開するために、全力を尽くしてチベットの人々を支援する必要性を強調しながら、トーマス・マン氏はこう語った。「夥しい欧州議会決議の中で、中国政府指導部とダライ・ラマ法王との建設的対話を無条件に継続するよう、我々は要求してきた。2010年2月、チベットの人々との第9回協議が、進展を見ずに終わった。チベットの公式の宣言に反して、中国の統一性と主権が大いに危険にさらされていると、中国政府は見ている。法王に対する悪魔呼ばわりが止まない。しかしながら中国は、強硬論者や民族主義者ばかりではない。国の領土保全を尊重すると同時に、チベットの人々の文化的・宗教的アイデンティティを確保する、という中国国内でのあらゆるアプローチを、欧州連合は支援しなければならない。2月の法王の訪米期間中、バラク・オバマ大統領は明らかに、法王のこの中道アプローチを支援し、承認した。」

110人を超える超党派の欧州議会議員たちが、チベット・グループ間のメンバーとなっている。欧州議会での同グループの誕生は1989年に遡る。「本会期中に、中国国民とチベットの人々の間の建設的な対話と協力へと、我々もまた努力を注ぐ意向である。」マン氏はこのように語った。


(翻訳:猿渡 薫)