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ブッシュ大統領、調整役を期待される

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2001年10月17日
ワシントン インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット

今週後半、江沢民中国国家主席と初めて会見を果たしたブッシュ大統領は、今年5月、ホワイトハウスでダライ・ラマと交わした公約を遂行するために、中国政府とダライ・ラマとの間に対話の場を図ることが期待されている。

チベット問題を担当するポーラ・ドブリアンスキー米国特別調整官も、大統領の代表としてAPEC(アジア太平洋経済協力閣僚会議)フォーラムに参加するため、上海に行く予定。

「首脳陣はこれまで常にチベットと中国政府との対話を重視してきたが、中国が前チベット担当調整官のグレゴリー・クレイグとジュリア・タフトを一貫して避けてきたことを考えれば、ドブリアンスキーがこのような協議に参加するのは大いに意義がある」と『インターナショナル・キャンペーン・フォー・チベット』のジョン・アカリー代表は言う。

国際情勢担当国務次官のドブリアンスキーは、2001年5月にチベット担当の米国特別調整官に任命された。その役割で果たすべき主な責任は、ダライ・ラマまたはその代表と対話することを米国の政策として中国の最高首脳陣に勧めることにある。

「小さく扱われる議題であっても、彼女が参加することでチベットに大きな注目が集まるだろう」とアカリー氏は語る。

本来、大統領の中国行きにはAPEC終了後、2日間に亘る二国間会議を北京で開くことが盛り込まれていたが、9月のテロ攻撃により予定は切り上げられた。テロ攻撃以来、北京の声明には、国際テロ撲滅への協力と、いわゆる「分離主義者」に対する広範囲な壊滅とを結びつける意図が暗にほのめかされている。

この声明に対し、ライス国家安全保障担当大統領補佐官は10月15日に次のような発言をしている。「少数民族の権利を守るための論理的な異議や合法的活動と、世界各地に国際テロリストが存在するという事実については、今後とも様々な話し合いで一線を画していく。我々は中国との協議でこの方針を貫くつもりでいる」

「中国は、ダライ・ラマと彼の対話への試みを危険な活動と位置付けようとしているが、ブッシュ政権ではこれを快く思っていない」とアカリー氏。

「けれども我々は、アメリカが天安門事件への制裁を解除して、ブラックホーク・ヘリコプターの予備部品を中国へ売るのではないかと懸念している。このヘリコプターは過去、チベットを抑圧するために使われており、制裁解除は危険な考えだ」

高高度用に設計されたシコルスキー・ブラックホーク・ヘリコプターは、1988年から1989年に起こったチベットでのデモを制圧する手段として、中国当局に利用された。

「今回のAPECでは、安全保障問題と経済発展が主要な論点になるだろうが、連携の構築と西側諸国の開発プロジェクトのために、権利問題を犠牲にしないよう大統領を説得するつもりだ」とアカリー氏は語った。

「大統領は、北京支援によるチベットの開発に厳しい目を向けるべきだ。例えば、青海とチベット間を結ぶ鉄道プロジェクトなどは、中国の軍事コントロールとチベット文化の同化をいっそう強化することになる」