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パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマの強制失踪事件から25年、世界にその存在をアピールする1か月

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2020年4月25日
国連、EU,中央チベット政権情報・国際関係省(外務省)人権部

チベットご支援者の皆様

チベット中央政権は、4月25日~5月17日にかけて、パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマが行方不明になってから25周年を記念し、世界各地でイベント活動を予定しておりました。しかしながら、この度、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、残念ながら自粛することになりました。

つきましては、ご支援者の皆様に近況報告として、チベット中央政権が作成した冊子の日本語訳を同封致します。ご査収の上、目を通して頂けたら幸いに存じます。いつも変わらぬ御支援を心から感謝しております。これからもどうぞ引き続きご協力をよろしくお願いします。

強い後悔と悲しみをこめて、チベットの第11世パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマが中国政府に拉致されてから、25年の月日が経ったことをお知らせしなければなりません。

この25年間、パンチェン・ラマは正当な第11世パンチェン・ラマとしての地位どころか、普通の人間として生きる権利さえ奪われ続けています。

25年という節目に当たり、もう一度この事実を明らかにし、チベットの歴史からパンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマを消そうとする中国の企てにもかかわらず、世界はパンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマを決して忘れてはいない、という強いメッセージ発信していきたいと思い、このメッセージを書いています。

パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマは、1995年5月14日、インドのダラムサラでの式典において、ダライ・ラマ法王によって認定されました。しかしそのわずか3日後の5月17日、中国政府によって両親と共に拉致され、その後今日まで、どこにいるかさえも分からない、消息不明の状態が続いています。中国の行いは、国際的に認められた人権を完全に無視しており、中国の国内法にさえ違反しています。

パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマは今年の4月25日で31歳になります。「強制失踪からのすべての人を守る宣言」に定義されているように、強制失踪は、失踪させられた人が見つかって、どうなったかがわかるまでずっと続く犯罪です。つまり、パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマとその両親の強制失踪事件は、1995年から25年間も続いている犯罪なのです。

全てのチベット人にとって、このことは長年続く、最も重く辛い事件であり、このように繰り返され続ける人権侵害は、終わらせなくてはなりません。中国は、パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマは健康で、普通の生活を送っていると主張しています。しかし、実際に、生きているパンチェン・ラマに会えない限り、そのような主張を信じることはできません。パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマの強制失踪は、1995年から「強制的および非自発的失踪に関する国連作業部会」に登録されている、世界で最も古い未解決事件の1つなのです。

そこでお願いがあります。中国政府に対し、パンチェン・ラマ・ゲンドゥン・チューキ・ニマとその両親を解放するように、またチャドレル・リンポチェの所在を明らかにするように、働きかけてください。私たちは、貴国の政府と国民が、チベット人や第11代パンチェン・ラマの立場に立ち、その人権を守るよう主張し続けてくださると、固く信じております。なぜならパンチェン・ラマとその家族が、世界から隔絶され続けているという事実そのものが、中国政府の主張が偽りであることを証明しているのですから。

 

ダライ・ラマ法王日本代表部事務所
代表:ルントック