チベットの環境問題

チベット亡命政権情報国際関係省1992年発行
「チベット環境と開発をめぐって」より

イントロダクション

中国に向けて運び出されるチベットの材木

中国のチベット占領は、植民地化の古典的な例である。チベット「開発」の基本的意図は、チベット内の中国人を支援し、中国の工業に原材料及び製品を供給し、中国の利益収入を図ることにある。莫大な潜在的需要から資源の枯渇をきたしている現在の中国が、ほどなくしてこれまで以上にチベットに影響を及ぼすことは疑いの余地がない。こうしたチベットを植民地化して開発するやり方は、チベット人の生存に必要なものを無視し、チベット人の暮らしの基礎となる環境の安定性を破壊するものである。

チベットに対する中国の政策及び開発のパターンは、チベット人を経済プロセスの端に追いやった。1990年度のチベットの平均収入は1人当たり80ドル、成人の識字率は21.7%、平均寿命は40歳である。UNDPの最新の人間開発指数は0.087である。チベットが独立国であったなら、これはチャドとジプチの間、160カ国中153位にあたる。

チベット人のアイデンティティーへの増大する脅威に加えて、チベットにおける大量の中国人人口の流入は、天然資源基盤に支えきれない圧力を加えている。現在チベットに住む中国人は760万人で、これはチベットに住むチベット人の610万人を越えている。

中国の国際援助による保護ならびに開発プロジェクト基金のほとんどはチベットには向けられていない。チベットで現在行われている。農業、工業、観光、エネルギー、保護の分野の2.3のプロジェクトに対して、国際援助機関やNGOは、基金が約束通りの所へ届き、きちんとした説明、チベット人の利益、環境の影響が国際基準に合致することを保証するため、より厳格な審査を行うように要求している。

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