チベットの人口

「チベット政治史」(亜細亜大学アジア研究所)より抜粋

チベットではかつて正確な人口調査が行われたことがないため、概算にたよるほかない。古代の護法王(チューギャル)たちが七世紀に中国の軍隊を派遣した際、二十万もの兵を募ることができた。古代チベットの年代記作者バ・セーナンによると、別の戦争では千四百万という俄には信じがたい数の兵が動員されたという。この数字が正しいかどうかはともかく、チベットは何世紀にもわたって人口減少の一途をたどってきた。チベット民族の、つまりチョル・カ・スム三地方の現在の人口は大雑把に見積もって、約六百万というのが妥当な数字であろう。内訳は、遊牧民約48%、交易商人と農民が32%である。人口の約20%を占める僧尼はあらゆる階層の出身者からなっている(僧18%、尼層2%)。

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