「テールズ・オブ・テラー チベットでの拷問」 1999 TCHRD発行

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チベットで今でも続く拷問の数々

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中国政府が国連の拷問禁止条約に調印した1986年以来、拘留・監禁中に拷問死したチベット政治囚は確認されただけでも60人にものぼる。拘留中における拷問は圧倒的に身体に対する虐待だが、虐待後、生き延びた者にとっても、拷問は心の傷となって後々まで残ることになる。これから下に綴られる証言は、拘留・監禁中の拷問を生き延びた人たちによるものである。

拘留中における拷問は通常、尋問とともに行われ、冷凍室に無理やり押し込められたあげく、鞭打ちや電圧を帯びた牛追い棒の電気ショックをあびせられる。拘留者の多くは、様々な種類の拷問具を耐え忍ばねばならない。

監禁中における拷問は、拘留中とは違った様相を帯びてくる。 強制労働、訓練がそれだ。 チベット政治囚は日ごとに決められたノルマを課せられ、病気や殴打による傷害で苦しんでいても関係なく従わなければならない。

強制労働の方が拷問そのものより苛酷だ、と報告する証言者たちもいる。 そしてまた、精神の深いレベルまで傷を負わせるやり方、血液や体液の抽出、食事を与えない、などが挙げられる。 チベット僧たちはその宗教的信念のため、より一層心理的苦痛を味わされることもしばしばだ。 例えば、排泄物をタンカ(仏画) を使って強制的に運ばされることもあるのだ…