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ダライ・ラマ法王ノーベル平和賞受賞14周年記念日におけるチベット亡命政権内閣(カシャック)の声明

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(2003年12月19日 チベットネット

カシャックは、ダライ・ラマ法王ノーベル平和賞受賞14周年記念日に際して、全てのチベット人と平和を愛する人々に心よりご挨拶を述べたいと思います。

ダライ・ラマ法王は、機会があればいつでも、世界中の一般人、政治家、各国政府首脳陣に、世界平和を達成するために、また大小にかかわらず国家や民族間に起こる紛争を解決するために、非暴力による解決方法を説き奨めてきました。

特に、ダライ・ラマ法王は、過去50年にわたり、(法王の提唱する)中道アプローチ政策とチベットと中国の相互利益に根ざしてチベット問題を解決すべく、多大な貢献をなさってきました。

世界の国々は、法王の、チベットにとっての中期的、長期的利益になる偉大な働きと無類の貢献に対して、拍手喝采をし、支援しています。

最近、中国の温家宝首相が「独立以外、いかなることも対話は可能」と述べたように、法王は、はっきりとメディアに対して、またチベット人に対してのスピーチにおいても、伝統的三省を踏まえたチベットの「独立」ではなく、チベットの「自治」を獲得するためにのみ尽力していることを述べておられます。しかしながら、中国の指導者たちは、このことを認めるのではなく、現実とは反対に、政府のスポークスマンを通じて、法王が独立を目指し従事しているとずっと非難し続けているのです。このことは、実に不幸なことであります。なぜならば、こうした非難は根拠も無く、法王の開かれた考えや貢献に対する信頼の欠如と誤解からもたらされているからであります。

ダライ・ラマ法王の指導下にあるチベット亡命政権が既に、インドにおける亡命政府として樹立されて以来、また、将来のチベットついて非暴力主義による政治体制の構想を確立しているからには、我々がチベット内外において、非暴力主義に反するような運動を先導するなどといったことは決してなく、またそのような計画も全く有り得ないことです。にもかかわらず、中国政府はごく最近、いわゆる「反テロリスト軍事政策」を、「テロを防ぎ、テロリストに厳重に対処するため、さらにチベットの安定を確実にする目的で、採択した」と述べました。この表明は、全く根拠の無いものであり、真実に即していません。

我々は再び、中国政府に対して現実を受け入れるよう、直ちに中国チベット間の対話をチベット人と中国人の相互利益の上にたって再開するよう強く促していきます。

カシャックはまた、チベット在住のチベット人たちが、中国の組織的破壊活動にも屈せず、チベット独自の文化伝統を守るため最大限の努力をしていることを深く心より評価しています。彼らチベット人は、自分たちの子供に仏教を学ばせるために寺院に送ったりチベット語の教育のある学校へ行かせたりして、さらに寺院の修復や建設を行い、仏教徒の祭りを祝い、こうしたことを継続することによってチベットの文化伝統を守ろうとしているのです。我々はまた、亡命中のチベット人の学生と両親にも、現代教育を履修しチベット独自の文化伝統を守るためあらゆる機会を利用するよう、奨めていきます。我々はさらに、年配のチベット人に対して、若いチベット人の心に染み入るように、チベットの伝統的な良い習慣と道徳的な振る舞いを教え込むように促していきます。

ヒマチャル・プラディシュ州政府とインドチベット友好協会、及びチベット亡命政権は、ダライ・ラマ法王ノーベル平和賞受賞14周年記念日にあわせて、国際ヒマラヤ祭を催しました。我々は、この機会を利用して、ヒマチャル・プラディシュ州政府と人々に、チベット人にあらゆるサポートと援助をしていただいたことに対して、感謝の意を述べたいと思います。

特に我々は、チベット亡命政権とチベット国民に代わって、インドの中央政府並び州政府はもとよりインド国民に対して、さらにチベットが歴史上に無い最悪の問題に直面している時に深い関心を寄せ続けて下さっている世界中の国々、各国政府、非政府系組織、個人の皆様に対して、心からの感謝を申し上げたいと思います。

我々は、インド政府とインド国民に対して、また世界中の国々に対して、チベット問題が解決するまでサポートを続けて下さるようアピールしてまいりたいと思います。最後に、ダライ・ラマ法王のご長寿と全てのお望みの成就を願って、さらにチベットの内外のチベット人が再統一する日を願って、祈りを捧げたいと思います。

2003年12月10日
カシャック(チベット亡命政権内閣)