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ダライ・ラマ法王のメッセージ:アースデイに寄せて

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2021年4月22日

2021年のアースデイ(地球の日)を迎え、私は世界中の兄弟姉妹の方々に、私たちが共有する地球というこの青い惑星が直面している課題と挑戦の機会について検討するよう呼びかけたいと思います。

私は、月や星は美しく見えるけれど、誰かがそこに移り住もうとしてもただ惨めになるだけだろうと冗談を言うことがよくあります。私たちが住む地球というこの惑星は楽しく住めるところです。地球の命は私たちの命であり、その未来は私たちの未来です。実際に、地球は私たち全員の母親のような存在であり、私たちはその子供のように地球に依存しています。地球規模の温暖化やオゾン層破壊の影響など、地球規模の問題に直面する時、個々の組織やひとつの国家の力だけで解決することは不可能です。私たち全員が協力して立ち向かわない限り、解決策を見出すことはできません。今、私たちの母なる地球は、普遍的責任という教訓を私たちに示しているのです。

その一例として、水の問題を取り上げてみましょう。今日、これまで以上に世界の多くの地域の市民たち、特に母親と子供たちに対する福祉活動は、十分な水、下水設備、衛生状態の決定的な欠如のため極度のリスクにさらされています。

相互依存は自然の基本的な法則です。相互依存の法則に無知であることは、自然環境に対してだけでなく、人間社会にも痛手を負わせることになってしまいます。ですから私たち人間は、すべての人類はひとつの人間家族であるという一体感をより高めていかなければなりません。私たちひとり一人は、自分、家族、国のためだけではなく、すべての人類の利益のために働くべきことを学ぶ必要があるのです。これに関連して、ジョー・バイデン大統領が今年のアースデイに気候変動サミットを主催し、世界のリーダーたちが一堂に会して、私たち全員に影響を与える問題について話し合うことを嬉しく思っています。

私たちの唯一の家である地球が持続していくためには、環境に関する教育と各個人の普遍的責任が高まり、成長し続けていく必要があります。環境への配慮は私たちの日常生活に欠かせないものなのです。私自身の体験をお話しするならば、私が環境に対して目覚めたのは、私が亡命し、チベットにいた時知っていた世界とはかけ離れた異なる世界に遭遇した後でした。私はその時初めて、チベットの環境がどれほど清らかであったか、近代の物質的な開発が地球全体の生命を劣化させることに加担してきたかを理解したのです。

このアースデイに、私たち全員が、私たちの唯一の家である美しい地球の環境に前向きな変化をもたらすため、自分にできる役割を果たしていくことを、ここでともに約束しましょう。

祈りを込めて
ダライ・ラマ
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