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ダライ・ラマ法王、ローマ法王との会談叶わず 遺憾の意を表明

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(2007年12月7日 ロイター)

(イタリア、ミラノ)ダライ・ラマ法王は、金曜、10日間のイタリア訪問中、ベネディクト16世に会えず残念だったと述べた。今回のイタリア訪問中、多くの政治家がダライ・ラマ法王に会うことを避けた。

中国は外交上、ダライ・ラマ法王の世界歴訪に対して強い不快感を示しており、イタリアの中国大使は政治家らにダライ・ラマに会わないよう呼びかけたと、地元メディアは伝えている。

チベットの精神的指導者ダライ・ラマ法王は、1973年、カトリック教会首長への敬意を表してヨーロッパを初めて訪問した際、最初に訪れた国は、まさにローマ法王のお膝元であるイタリアだったと語った。

しかしバチカンは、今回はダライ・ラマ法王とローマ法王とのいかなる会談も認めなかった。

「これまで、イタリア訪問の際は毎回ローマ法王と会談した。今回、ローマ法王はなんらかの問題があったようだ。残念だ。」とダライ・ラマ法王72歳はイタリアの日刊紙ラ・レプッブリカに語り、前のローマ法王であるヨハネ・パウロ2世は忘れがたい方だと付け加えた。

中国との関係改善をローマ法王としてのゴールだと位置づけているベネディクト16世は、昨年10月チベットの精神的指導者と、極私的な会談を行った。

「私はラツィンガー法王に一度会ったことがある。彼は、信仰と理性を調和させることがいかに重要かということを説いた、すばらしいことだ。」とダライ・ラマ法王は述べた。

ダライ・ラマ法王は12月5日にミラノに到着し、ウーディネ、ローマ、トリノを訪問する。
これまで、北部ロンバルディア州知事のみ公式レベルで会談を受け入れ、政府レベルで予定されている会談はない。

冬の寒さをものともせず、ダライ・ラマ法王は金曜、トレードマークとなっているえんじ色と山吹色の法衣、草履を着用して、ロベルト・フォルミゴーニ州知事に会うため、ロンバルディア州本部に現れた。

2008年の北京オリンピックが迫っており、ダライ・ラマ法王は西側の指導者と会談するため、世界中を飛び回っている。

今年、法王はアメリカ合衆国大統領ジョージ・W・ブッシュ、そしてオーストリア、ドイツ、ニュージーランド、オーストラリア、カナダの指導者と会談している。

何千人ものイタリアの支持者に会いに向かう途中、中国側の発言について尋ねられ、ダライ・ラマ法王は「彼らは彼らの言いたいことを言う自由がある。」とレポーターに答えた。

「中国を孤立させることは絶対にいけない。我々には中国を国際社会へ参加させる道義的責任がある。」とも述べた。
「ただし、状況によっては、真の友情を保ちながらも、断固とした態度を取らねばならない場合もあるのだ。」

写真:チベットの精神的指導者ダライ・ラマ法王  12/7ミラノで開催された三日間の教育イベント 「内面のやすらぎへの道」に到着し、ほほ笑む。