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ダライ・ラマ法王、 イタリア訪問の最後に支援を呼びかけ

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(2007年12月16日 AFP)

(イタリア、トリノ)16日(日)、ダライ・ラマ法王は11日間のプライベートなイタリア訪問を終えた。
法王は訪問中、ノーベル平和賞受賞者らのサミット会議に出席し、チベットの自治に向けた取り組みへの継続的な支援を呼びかけた。

「チベット人は、非常に忍耐強い民族ですが、さすがに彼らも苛立ちを持ちはじめています」と、チベット仏教の指導者ダライ・ラマ法王はイタリア北部トリノの政治家らに語った、とANSA通信は伝えた。

「そのような理由から、皆さまからの継続的な支援が非常に重要なのです」と述べ、「我々の取り組みは、正義の取り組みです。・・・チベットの文化は、平和、慈悲、非暴力の文化です。だからこそ、チベット文化は、チベット人のためだけでなく、国際社会のすべての人々のためにも保存されるべきなのです。」と加えた。

ダライ・ラマ法王は、13日(木)ローマでも、これとほぼ同じ内容の話をし、議員達に向けて、倫理上の支援に加え、現実的かつ具体的な支援を要請した。

チベット仏教の指導者であるダライ・ラマ法王は、議事堂の建物内で話をしたが、一部の議員が望んだように本会議場で話をすることはなかった。

「私たちは、チベットの独立を求めているのではありません。チベット文化の伝統を守りたいのです。チベット文化は、中国の文化伝統さえも豊かにすることができるはずです。」

中国は、ダライ・ラマ法王のイタリア訪問への反対する立場をイタリア外務省に明確に伝ている。中国政府は、ダライ・ラマ法王がローマ、ミラノ、トリノとイタリア各都市を歴訪したことについて、イタリア外務省を批判している。
先頃おこなわれた、ダライ・ラマ法王とドイツのメルケル首相、ならびにダライ・ラマ法王とアメリカのブッシュ代表との対談も、中国政府を怒らせた。

また、13日(木)ローマにはノーベル平和賞受賞者らのサミットがローマで開催され、1989年にノーベル平和賞を受賞をしているダライ・ラマ法王は、元ロシア大統領ミハエル・ゴルバチョフ氏、元ポーランド大統領レフ・ワレサ氏、をはじめとするノーベル平和賞受賞者らと対談した。

さらに、ミラノでは、3日間にわたる会議に参加し、会議には8000人の聴衆が集まった。

ダライ・ラマ法王とローマ法王は、2006年10月に対談している。しかし、今回予定されていた訪問中の対談はキャンセルされた。これは、バチカン側が任命した司祭を中国南部の広東省に着任させるためのバチカン側の決断だと、イタリアのメディアは伝えている。

中国は1950年にチベットに派兵し、数年後には正式にチベットを「解放」した。1959年、チベット人民による蜂起の失敗を受け、ダライ・ラマ法王はチベットから亡命した。現在、法王は世界各国を歴訪して、チベットの自治の要求への支援を訴えている。

ダライ・ラマ法王
1990年ノーベル平和賞受賞者 ミハエル・ゴルバチョフ氏
1983年ノーベル平和賞受賞者 レフ・ワレサ氏
2006年ノーベル平和賞受賞者 ムハマド・ユヌス氏