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ダライ・ラマ就任50周年で演説

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2000年12月5日
ニューデリー(読売新聞)
ダライ・ラマ法王
ダライ・ラマ法王

チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世は4日、亡命先のインド北部ダラムサラで開かれた最高指導者就任50周年記念式典で演説し、「我々は長い間、宗教問題に多大な注意を払い、政治問題をおろそかにしてきた。過去の過ちを繰り返さないようにしなければならない」と述べ、対中国問題で、政治意識を持ち続けるよう呼びかけた。

式典には、チベット仏教の高僧や信者ら数千人が参加したが、今年1月に中国からダラムサラに逃れたカギュー派の最高活仏、カルマパ17世は出席しなかった。対中関係に配慮したインド政府が出席しないように圧力をかけたとの見方もある。

12月4日
ダラムサラ(AP通信)

ダライ・ラマは、十代でチベットの指導者となってから50周年目を祝う記念式典で、「チベット亡命政権は1998年から引き伸ばされていた中国政府とのコンタクトを再開した」と記者に語った。

ダライ・ラマによれば、「過去、中国へ向けた使節団を率いていた兄ギャロ・トゥンドゥプは3ヵ月前、北京へ招かれた」。そして、ダライ・ラマの兄ギャロ・トゥンドゥプが亡命政府の本拠地であるダラムサラへ戻ったあと、ダライ・ラマは調停者の一団をチベットへ派遣するために北京へ許可を要請したという。

「中国とのコンタクトは意見交換をする機会であり、独立を求めない姿勢は変わらない」とダライ・ラマは繰り返した。 「もちろん、私が独立を求めていないことは皆承知の通りだ。中道アプローチの方針は変わらないと、中国国内でのチベット自治を受け入れるという妥協案を引き合いに出した。チベット亡命政権は、要請に対する回答をいまだ得ていない。だがダライ・ラマによると、予定されていた台湾訪問が延期されたのは、チベット訪問の可能性があるためだという。

式典には、著名なチベット学者であるコロンビア大学のロバート・サーマン教授、米上院下院議員代表団などが海外からのゲストとして参加した。その他50周年記念を祝うイベントとして、「チベットの政治体制における未来の選択肢」と題した会議、「チベット仏教指導者会議」が開催された。