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ダライ・ラマ 政権交代を計画中

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2001年1月31日
オーストラリアのジ・エイジ紙

チベットの精神的・政治的支配者である亡命中のダライ・ラマは、今年早々に選ばれることになる指導者へと政権を託すことを決定した。ダライ・ラマの宗教的な役割の方は、チベットの伝統にのっとって、その生まれ変わりと断定された赤ん坊へと受け継がれる。六十五歳のダライ・ラマは、自分の死後、権力が空洞化することを恐れている。中国とチベット亡命政権の指導層は恐らく、それぞれ違う赤ん坊を選んで、チベットの崇高なる王の「真の」生まれ変わりであると断定することになるからだ。

四十九年に中国共産軍に侵攻されるまで、ダライ・ラマはチベットの絶対的支配者であり、精神的指導者であった。亡命してから四十年が過ぎ、北京による反ダライ・ラマ運動(訳注:原語hate campaign)がますます盛んになっているが、チベット社会の各派の間では、彼の権威と信望はまったく損なわれていない。しかし、歴代のダライ・ラマという存在は、チベット仏教の四大宗派で最も強力で教理に基づいた支配者にすぎなかった。ダライ・ラマは、チベット各派に反目が生じないよう、十分な権威と国際的な地位を備えた政治的指導者を育成し始めることを切望している。

「チベット自治権については、私の存命中に中国から同意を得られるかもしれない」と、楽観的なダライ・ラマだが、「伝統に準じた手続きをすぐにでも開始し、そのプロセスは民主的に行われなければならない」と発言している。

「単に、高位にあるラマがダライ・ラマを受け継ぐのだったら、他の分派が黙っていないと思う。だから、最良かつ最も安全な方法は投票によるやり方だ。」

「まだ活発に動けるうちに、選ばれた指導者をぜひ私の右腕にしたい。そうすれば、私が死ぬ時すでに、十分な資質を備えた指導者がいることになる」

ダライ・ラマは、チベット亡命政権から選んだ候補者リストを数ヵ月以内に準備する予定であり、国会を招聘し、事実上、首相としての職務を遂行する指導者を選ぶ。彼は、十五歳のカルマパ十七世は(リストから)除外した。カルマパ十七世は、チベット仏教主流派の一派の指導者であり、ちょうど一年以上前にヒマラヤを越えて大胆な亡命を果たし、インドへたどり着いた。