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ゲルク派座主 ガンデン・チェ・リンポチェ・ロプサン・ニマ師に聞く

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1999年11月8日
チベットハウス

チベット仏教のゲルグ派座主のガンデン・チェ・リンポチェが来日し、多忙な来日スケジュールの合間にチベットハウスからのインタビューを快諾して下さった。

■ 日本の印象についてお聞かせ下さい。

日本は非常に発展した国です。1984年、ダライ・ラマ法王の随行として初来日し、成田新勝寺の法要に参加しました。私自身、日本全国まわってはいませんが、所々見まして、日本が発展した国だという強い印象を持ちました。

■ 当時とだいぶ変わりましたでしょうか?

もちろん、大きく変わりましたね。空港も新しくなり、デイズニーランドもできましたしね。(笑)

■ チベタン・フリーダム・コンサートやインターネットを通じて若い世代が、チベット問題に少しずつアクセスしています。若い世代、特に20代はじめの人たちが、チベットの精神性にとても自然体でアプローチしているようです。このことについてどう考えますか? またどういったことを期待されますか?

私たちチベット人にとって日本は非常に親しみのある国です。昔は日本の僧侶の方々がチベットに留学に来るなど、チベットと日本は文化的な交流もありました。それから、私たちがインドに亡命して何年も経っていますが、インドのチベット寺院に日本人が仏教を学びに来たり、日本の民間人の心ある方たちがチベット寺院を復興させるため援助協力したりしています。こうしたことを背景に、日本の若い世代がチベットの精神文化に関心を持つということは、日本の社会にとっても良いばかりでなく、やがて世界平和につながるような非常に素晴らしいことだと思います。

■ 日本も同じ仏教国です。インドからチベット、チベットから中国、中国から朝鮮、日本と仏教は伝播しました。このように日本の仏教は中国から伝来し、中国の文化を媒体として、日本の文化や風土に合わせたものになっています。今、若い人たちが元の仏教、オリジナル・ブッディズムに関心を持ちつつあるようです。日本の若い人たちにわかるように、リンポチェから、元来、仏教とは何か、シンプルにご説明下さい。

仏教の見方には大きく分けて、縁起と行(ぎょう)があります。
まず、縁起とは、つまりこの世の全てのものはお互いに依存しながら存在するという考え方です。これについて仏教の学説にいろいろありますが、縁起についての根本的な考え方とは、全ての事象はお互いに関連して成り立っているということです。

次に、行(ぎょう)、つまり実践に関することを具体的に申しますと、他者に対する慈悲や思いやりの実践、他者を助ける、他者に役立つことをする、他者を害するようなことをしない、などがあります。

この2つ、縁起と行(ぎょう)が仏教の重要な柱となっています。

(取材 / Peppermint Patty)