ニュース

ニュース

最新ニュース

これから開催するイベント

オーストラリアでチベット人たちが気候マーチの先頭に立つ

Print Friendly, PDF & Email

2015年11月30日
オーストラリア

パリで開催される国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の直前の11月27日から29日にかけて、チベット人やチベット支援者らがオーストラリア国内各主要都市で行われたデモ行進「気候マーチ」の先頭に立った。シドニー、メルボルン、キャンベラ、アデレード、ホバートで行われたデモ行進では、地元チベット人や非営利団体オーストラリア・チベットカウンシルのメンバーらが、チベットの環境が世界の環境に与える影響を訴え、気候変動への一丸となった活動を見せた。

デモが行われた6都市すべてでチベット人や支援者らが、チベットが世界の気候変動の鍵となっていることを訴えた。首都キャンベラでは、ダライ・ラマ法王オーストラリア代表部ラクパ・ツォコ代表がデモ行進に加わり、「変化の最前線」と書かれたバナーを掲げ、次のように語った。「オーストラリア国内のチベット人や支援者たちは他の100団体を超えるNGO団体などと協力して、世界の気候変動やチベットの環境破壊への意識を高めることができた」

シドニーではチベット人の若者テンジン・チョーギャルがオーストラリアの若者のグループに参加してデモ行進でメインのバナーを掲げた。南オーストラリアのチベット人コミュニティーのリーダーであるテンジン・チョーキと、オーストラリア首都圏のチベット人コミュニティーの活動家であるツェワン・トゥプテンは、アデレードとキャンベラでデモ行進のキースピーカーとして参加した。デモ行進の中でツェワン・トゥプテンは、チベットの環境に対するチベット中央政権の取り組みの一つである「世界の屋根」フォト・チャレンジへの参加を呼びかけた。他の地域でもチベット人や支援者らがこの活動に参加した。

オーストラリア・チベット人コミュニティー協会会長ロブサン・ルントックは次のように語った。「今回の気候変動に対して行われる歴史的なデモ行進を、オーストラリアのチベット人コミュニティーは誇りに思っています。私たちはチベットで実際に気候変動の影響を受けながら、その声を世界に届かせることができないチベット人たちに代わって声をあげています。特に私たちが守ろうとしているのは、何千年もチベット高原の環境に根差した生活を営んできたチベット遊牧民たちです。皮肉なことに、遊牧民たちは現在、中国の環境問題のスケープゴートにされていて、草原から追いやられているのです」

国連COP21会議では、オーストラリア・チベットカウンシルが「チベット―環境への挑戦」と題する新しい報告書を発表した。この報告書は、チベットの世界への影響に注目を集めるものだ。カウンシルのキャンペーンマネージャーであるキンゾム・ドングは次のように語った。「南極や北極以外で最大の真水を保持し、アジアの主要河川の源流のあるチベットは、気候変動から水資源、食糧確保の問題まで、21世紀の大きな課題の中核を担っています。COP21では世界の指導者たちに、世界の環境に対するチベットの重要度を認識し、チベット高原に迫る環境破壊に注目していただきたいと思います」


(翻訳:植林秀美)