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オリンピック誘致で北京が新印象を提示 – 「新しい北京、偉大なオリンピック」 –

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2000年3月11日
北京(カナディアン・プレス)

この2008年夏季オリンピックを招致する北京の公式スローガンは、8年前、シドニーに負けた痛手を忘れたい北京の叫びである。当時、批評家たちは、中国の人権侵害、公害、貧困が開催国として不適格であるとし、北京が2000年オリンピック開催都市になるチャンスを串刺しにした。そして今、中国は、「変わってきている」と主張する。「北京は1993年よりも豊かになり発達した、人々もより良い生活をしている」と彼らは言う。

北京オリンピック招致委員会の王事務局長は英語を話し洗練した感じだ。彼はインタビューでこう語った。
「健康を悪影響を及ぼす北京のスモッグは、2008年までにはなくなり、人々の記憶にのみとどまるだろう」
「北京は全ての分野で大きく変わった」
「オリンピックを誘致するための状態は1993年よりもいくらか向上した」

しかし、批評家たちは納得していない。2008年の開催都市は2001年7月まで選ばれることはないが、チベットびいきの海外団体等は北京の勧誘を撃沈するための運動を思案中である。中国においての人権侵害は悪化していると広く認識されている事もあり、今回の反対を唱える声はより大きくなるだろうと予測する人々もいる。

「人々は、強固な立場をとるようにと我々に陳情している」
ICT(International Campaign for Tibet)会長ジョン・アカリーはこう語る。5万人の会員を持つICTは北京による前回の誘致に対抗したが、今回もまた反対運動をするであろう。

「未だそんなことは起きたことがないが、中国がその立場を速やかに変えて人権の状況を向上させたいと真に望んでいることが証明されるまで、ずっと我々は誘致に抵抗する」
FTC(Free Tibet Campaign )のアリソン・レイノルズはそう付け加えた。

2008年夏季オリンピック都市候補として、トロントと北京の他、バンコク、カイロ、ハバナ、イスタンブール、クアラ・ルンプール、大阪、パリ、セビリアが名を連ねている。北京は、ややさえなく堅苦しかった1993年の頃よりも、近代的で色彩に富み、陽気で、幾つかの点では以前より寛容的になった。多くの人々は順境にあって、どこで働き、住み、子供たちを通学させるかを選ぶこともより自由になった。経済の急成長は、豪華な店舗、レストランやナイトクラブと共に、新しいビル群が建ち、新しい仕事ができた。

しかし、仮に北京が多くの中国人にとってはひどく辛い2票差でシドニーに敗れたのではなかったとしても、今年のオリンピックは、中国の法輪功弾圧、対抗政党になったかもしれない団体の排除、新展開を迎えた台湾に対する戦争の危惧、など問題が重なってしまったことだろう。例えばの話だが、バスケットボール試合のテレビ放送が先月の天安門広場での警察による法輪功メンバー殴打の映像に変わってしまったかもしれない。

蓁永敏(中国が貧しい上に人権侵害も夥しいとして、勇敢にも1993年の誘致に公然と抵抗した反体制家)は、中国民主党を結成したために12年間の懲役刑を受け、現在15ヶ月目に入っている。

それにもかかわらず、中国はこう言う。
「我が国の人権状況はかつてなかったほど良い」

前述の北京オリンピック招致委員会の王事務局長はこう語る。
「『人々の向上した生活、発展、偽りのない変化』によって中国が再び調子を取り戻したことを、多くの批評家たちは理解しない」

「批評家たちの考えは過去の印象で凍りついてしまっている」

「政治的な理由のために、中国の人権についてあれこれ言う。1度などは中国のオリンピック誘致を妨害さえした。そんなやり方が公正だとは思わない」
「誰が欠点を持っていないというのか」

北京オリンピック招致委員会の粋なホームページから判断すると、大衆による今回の誘致への支援は大きいようだ。2月1日に開設された同委員会のサイトに、3,100人以上のネット・サーファーが好意的な意見を残している。

サイト・マネージャーのツァオ・ウェイは、否定的な意見の場所もすぐに作る希望があることを述べた。

支援者の中には、物議をかもしている三峡ダム(Three Gorges Dam)のために家を立ち退いた人物も含まれている。

「我々すべて三峡貯水池地域から移住した者たちは、誘致が成功することを望んでいる」と南西部の重慶からリュー・ヨンガイ。

「もしもまた失敗したなら、それは5000年の中国文明がくず同然だということになる」と浙江省のイェ・シンシュイ。

この招致が成功すれば、多くの中国人にとって、中国が世界を率いる国々の1員だということの証明になるだろう。さらに、オリンピックは中国政府に多大な利益を与えることになる。12億6千万の人口と共に、中国は、オリンピックに巨大な未開発市場を提供する。名乗りをあげている10の都市のなかで北京は最有力候補であると見られている。

北京オリンピック招致委員会は、オリンピックが北京の発展を促進はしても市民に負担をかけることはない、としている。道路建設事業は加速され、交通渋滞が緩和される。王事務局長はこう続ける。

「37の競技開催場所が建設されたり改築されることになる」
「しかし1990年のアジア大会と違い、人々が寄付をするように圧力をかけられることはない」
「テレビ放送権、チケット販売、記念品、企業提供などから資金を調達し、政府が公共事業を負担する」

中国は、9月15日〜10月1日のオリンピック開催前と、オリンピック開催中にシドニーへ役人を送り、どのように準備をしているか見学させる。彼らは、少なくとも16の金メダルを狙っている陸上競技選手チームに合流する。北京オリンピック招致委員会は、「北京が2008年に選ばれるべきもう1つの理由として、スポーツにおける中国の武勲がある」としている。

「1999年の13億ドルに加えて、北京はこれから3年間に55億ドルを公害対策にあてる予定である」と王事務局長。

招致委員会のウェブサイトでさえも、「公害で5年寿命が縮んだ」という江沢民首席の発言を引用して公害問題を認めている。しかし、王事務局長は江沢民の発言についてこう言う。

「あれは冗談だ」
「2008年のオリンピック大会を我々で開催できれば、大気の質は問題にはならない。我々は、世界中からの友人を澄んだ最高の質の空気と共に、歓迎する」