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「中国政府はダライ・ラマを理解していない」

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2001年11月5日
インターグループ・フォー・チベット(欧州議会)

欧州議会内の「インターグループ・フォア・チベット」は、中国議会(全国人民代表大会)が、10月24日のダライ・ラマの演説を曲解していることに対し遺憾の意を表明した。また同時に、ダライ・ラマが提唱しているチベットの将来についての対話に対し、前向きに対応すべきだと主張した。

全国人民代表大会は10月27日付の声明において、ダライ・ラマが中国に敵対し、事実を歪曲した演説を行ったことを非難した。「インターグループ・フォア・チベット」では、この声明に応じて次のような声明を表明した。ダライ・ラマは、平和の追求と、チベット問題を含む国際紛争の平和的な対話による解決を,長期にわたり主張してきた。

600人を越える欧州議会の議員が、はじめてダライ・ラマの演説を聴き、彼が誠実に中国政府に接触しようと試みていることを理解した。「インターグループ・フォア・チベット」の議長であるトーマス・マン氏は、「中国は、チベット問題解決を先延ばしにするのではなく、ダライ・ラマに対して適切に対応すべき時にある」と語った。

ダライ・ラマは、国家元首に授けられる栄誉である欧州議会全体会での演説をおこなった。この演説はニコル・フォンテーヌ欧州議会議長の正式な招待に基づくものである。フォンテーヌ議長はダライ・ラマの紹介の際、マハトマ・ガンジー、ネルソン・マンデラ、アンドレイ・サハロフを引用し、ダライ・ラマは彼らと同じように「平和的表現と高潔な主張を擁護する行動を示し続けてきた。その行動は人に耳を傾けさせ、尊重され、しばしば偉業を成し遂げるものだ」と語った。マン氏はダライ・ラマの民主主義への貢献を褒め称え、欧州議会使節団の最近のインドのダラムサラにあるチベット亡命政権への訪問について言及した。

マン氏によると、「中国政府が過去のチベットのゆがめられた情報しか公開していないにもかかわらず、欧州議会使節団は、ダラムサラにおいてチベットの亡命社会がすばらしい民主主義を実践していることを発見した」と語った。また、「チベット亡命政権は、民主主義の制度化された三本柱(三権分立)を確立している。それは、チベット領内のチベット人だけではなく、多くの自由主義国の国民が持っていないものである。」と続けた。

また、マン氏は、ダライ・ラマの倫理的な権威により、チベット人が、チベット人と中国人両方を利益を考慮に入れた未来に希望を持つことを、中国政府が直視する勇気がないことを、残念な事実であると語った。