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「チベットへの国際的支援が広まっていく」訪日中のチベット亡命政権主席大臣

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2018年2月19日
日本、東京

チベット亡命政権ロブサン・センゲ主席大臣が18日、来日した。日本では1週間の滞在予定だ。センゲ主席大臣は、正義と自由の問題でもあるチベット問題への国際的支援、問題解決のための非暴力という方法が広まっていくと語った。

インドから成田空港に到着したセンゲ主席大臣は、そのまま麗澤大学へ向かい、講演を行った。

チベット人は自由、正義、非暴力、民主主義を強く支持していることから、チベットへの国際的支援は、世界が倫理と非暴力を支持しているという強力なメッセージとなると、センゲ主席大臣は語った。

麗澤大学でロブサン・センゲ主席大臣の講演に耳を傾ける聴衆。2018年2月18日、日本

チベット問題は倫理の問題です。私たちが中国から求めているのは、自由、政治、民主主義です。これらは、チベット人が手にすることができないものです。」

満席となった麗澤大学の講堂で、センゲ主席大臣はこう語った。麗澤大学は、傑出した学者・教育者である廣池千九郎博士によって、1935年に創立された。大学では、知識のみならず、清廉・倫理にも重きを置いた教育が行われている。

センゲ主席大臣は、南アフリカの指導者が、南アフリカ政府はチベットを支援するという強力なメッセージを世界に発したと語った。センゲ主席大臣は今月初めに南アフリカを訪問したが、その際、中国政府が南アフリカ政府に前例のない強い圧力をかけた。

講演後、麗澤大学の廣池理事長にチベット亡命政権の記念品を贈るロブサン・センゲ主席大臣。2018年2月18日、日本

「私が南アフリカを訪問すれば、南アフリカへの投資を停止すると、中国大使館が南アフリカ政府に脅迫しました。南アフリカの法律大学で予定されていた講演の際、約30人の中国人がスローガンを叫び、講演を妨害しようとしました。しかし、大学のスタッフは、会場を別の部屋に移して講演を予定通り行うことに決めました。このことは、中国マネーも重要だが、倫理も同様に重要だという強力なメッセージとなりました。」

センゲ主席大臣はこう語った。

「中国政府は1949年のチベット侵攻後、チベット仏教を根絶やしにしようとしていました。しかし、ダライ・ラマ法王の指導の下、インドで、そして、チベットで、チベット仏教は復活を遂げました。今日、中国の仏教徒数は世界最大となり、最大の仏教国となりました。結果として、ダライ・ラマ法王が毛沢東に勝利を収めたと言えます。」

チベットの悲劇と将来に関する講演を行うため麗澤大学を訪ねたロブサン・センゲ主席大臣。2018年2月18日、日本

廣池理事長は、麗澤大学は来年からチベット人学生に大学の奨学金を支給すると語った。麗澤大学には仏教、倫理、歴史を学ぶカリキュラムがあり、チベット人にとっては最適な学び舎と言える。

また、国家基本研究所の櫻井よしこ理事長は、日本は中国のチベット弾圧政策に立ち向かう倫理的な力があると語った。

日本は人権、民主主義、倫理を重んじる国だと語る櫻井理事長は、日本政府に対し、チベット支援を再活性化するよう呼び掛けている。

センゲ博士(主席大臣)は、麗澤大学がチベット人学生に奨学金の支給を決めたことに感謝の意を述べた。麗澤大学でチベット人学生が教育を受けることは、チベット人の活動を活性化し、効果的なものにすることになると語った。

センゲ主席大臣が大学のキャンパスを去る際、沿道では、数百人の日本人が、チベット旗と日本国旗を掲げ、センゲ主席大臣に挨拶と声援を送った。

ロブサン・センゲ主席大臣の到着を出迎えるダライ・ラマ法王日本代表部事務所ルントック代表と在日チベット人コミュニティーのメンバー。2018年2月18日、日本