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人権団体が中国当局によるチベットでのDNAサンプル採取を「深刻な人権侵害」と非難

2022年9月7日
スタッフレポーター

幼稚園におけるDNAサンプル採取の様子

幼稚園におけるDNAサンプル採取の様子

ダラムサラ:いわゆるチベット自治区(TRA)全域の中国当局が「犯罪摘発」のキャンペーンの一環として、幼稚園児を含むチベット人から、保護者の承諾を得ることなくDNAサンプルを採取していることを9月5日月曜日にヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)が報告した。

チベット自治区7県全域においてDNA採取活動が行われており、チベット人は中国当局の命令に従わざるを得ない状況にあることを人権団体が調査し、一般公開している報告に基づき報じた

報告によると、中国当局はDNAの採取について、「逃亡犯」を捕え、「犯罪分子を効果的に取り締まるために必要なツールを治安機関に装備するため」と主張しているとのこと。しかしながら、人権団体は、DNAサンプルの強制的採取を批判した上で、「安全保障の理由で、地域全体もしくは全住民から勝手にDNAサンプルを採取することは、必要または適切であるとは決して正当化できず、重大な人権侵害である」と主張した。

また、報告書によると、「チベット自治区」で進行中のDNAサンプル採取活動は、2019年に開始された「三大運動」【大走訪(大いなる訪問)、大調研(大いなる調査)、大化解(大いなる調停)】と呼ばれるキャンペーンの一部だとしている。さらに、報告書は、当該地域のDNAデータベースを構築するための政府による2件の業者入札をその証拠として挙げている。その上で人権団体は、2019年11月、チベット自治区南東部に位置するニントリ市(中国名:林芝)の警察が、「チベット自治区」の県レベルでDNAデータベースを作成することを公表したことを引き合いに、早ければ2019年7月には、当該地域におけるDNAデータベース構築が画策されていたとしている。

ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)によると、中国当局は、5歳の幼稚園児を含む全住民から、DNAサンプルを採取しているという。2019年5月のチベット自治区チャムド市(中国名:昌都)当局による報告書には、全住民からDNAサンプルを採取し、警察当局からは「村や修道院を1つも見逃さず、1世帯・1人も見逃さないように」と指示を受けていたことが明記されている。また、報告書は、チベット自治区ラサ市(中国名:拉薩)ニェモ地域の警察当局が、2022年4月に幼稚園3施設を対象として園児からDNAサンプルを採取したが、保護者への説明は一切なかったとしている。

「当局が、確かな自由意志に基づいたインフォームドコンセントがないまま子どもやその保護者からDNAを集めることや、個人的な健康情報を提供しない選択肢が実質的にはない、または提供を拒否できない教育の場で採取することは、子どものプライバシー権の侵害である」とし、子供の利益に反すると付言している。

健康権において、医療情報の機密性尊重の原則が義務付けられている。しかしながら、警察や関係機関が日常的にDNAサンプルのデータベースにアクセスできるようにするための今回のDNAサンプル採取は、国際法で禁止されている機密性保持の侵害又は違反にあたると報告書は指摘している。

中国当局が「犯罪の発見」を目的として、チベット人のDNAサンプルの不正収集をエスカレートさせているのは、チベットを支配する正当性を確立しようとする必死な試みに起因しており、それ故、このような取組みは、中国の安定性強化が目的である」と中央チベット政権テンジン・レクシャイ報道官は述べている。中国が同意を得ることなくDNAサンプルを採取することは、国際法上、チベット人の権利を侵害しており、冷酷な監視社会制度を強化している。

報告書は、オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)が実施した調査に触れ、チベットと新疆ウイグル自治区に焦点を当てた中国政府によるDNA採取キャンペーンについて詳述している。研究者らは、中国によるDNA採取プログラムは「個人のプライバシーに対する恣意的又は非合法的な干渉」を禁止する市民的及び政治的権利に関する国際規約に違反していることは明らかであるとしている。さらに、中国が加盟している国連児童の権利に関する条約第16条に違反しており、同条では、児童のプライバシーへの恣意的又は非合法的な干渉を禁止している。

さらに、ASPIの報告書を見る限り、中国当局が重大な犯罪により有罪判決を受けた者についてのみ生体認証データを警察が採集・保存しなければならないとする要件を遵守しているようには見られない。

ヒューマン・ライツ・ウォッチによる詳細な報告書は、こちらで読むことができます。

-国連、EU、人権デスク、チベット擁護セクション及び中央チベット政権情報・国際関係省(DIIR)による報告。

オリジナル記事

(翻訳:仁恕)

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