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インタビュー|アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表:ボイコットで中国から五輪精神を救う

2022年2月4日
ジャパン・フォワード
著者:ジェイソン・モーガン
2021年3月10日のチベット民族平和蜂起記念日に在東京中国大使館の前で抗議するチベットの人々。©チベットハウス・ジャパン

2021年3月10日のチベット民族平和蜂起記念日に在東京中国大使館の前で抗議するチベットの人々。©チベットハウス・ジャパン

ジャパン・フォワード –2022年2月3日

1月下旬、ダライ・ラマ法王日本代表部事務所日本・東アジア代表のアリヤ・ツェワン・ギャルポ博士は、ジャパン・フォワードの取材に応じた。アリヤ代表は、以前にもジャパン・フォワードの紙面に掲載されており、インドのダラムサラに所在する中央チベット政権に所属している。

今回のインタビューは、多岐にわたる話題に及んだ。最も差し迫った話題は、2022年北京オリンピックだ。アリヤ代表は、中国による人権侵害が継続する中で、中国共産党にオリンピック大会を開催する機会が与えられたことに対して、重大な懸念を表明した。

アリヤ代表へのインタビュー内容の抜粋は、以下のとおり。

アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表(代表部事務所で撮影)©チベットハウス・ジャパン

アリヤ・ツェワン・ギャルポ代表(代表部事務所で撮影)©チベットハウス・ジャパン

神聖なオリンピック聖火にふさわしいか

ダライ・ラマ法王は、かつて2008年夏季オリンピック開催地として中華人民共和国への招致を支持しました。それなのに何故、今、2022年冬季オリンピックの中国での開催に反対するのでしょうか。

中央チベット政権、そして何よりもダライ・ラマ法王は、平和の実現を心から望んでいます。2008年当時、オリンピックが、中国を世界平和への道に導く手助けとなる希望がまだありました。だからこそ、ダライ・ラマ法王は、2008年に中国でのオリンピック開催を支持しました。米国政府や世界中の多くの人々も大きな期待を寄せていました。

そのちょうど1年前の2007年、中国共産党は何の根拠もなく次期ダライ・ラマ法王を承認する権限を主張し、さらに2008年当時、1995年に中国政府の手によって家族と共に拉致されたパンチェン・ラマ11世であるゲンドゥン・チューキ・ニマの所在は不明のままであり、それは今もなお続いています。

しかしながら、斯様な状況下でも、私たちチベット人は、オリンピックが、そのプラスの世界的影響力により中国政府を正しい道へと感化する一助となるものと考えました。

私たちは、中国政府による約束を信じていました。また、平和の実現を期待し、オリンピックが中国そして世界に平和をもたらすことを願っていました。

2022年の今日、そうした私たちの期待には、何ら根拠がないものだったことを認めなければなりません。その1つには、オリンピックは、中国がチベット人に対する人権侵害に終止符を打つ要因にはなりませんでした。そして、今や中国が、東トルキスタンのウイグル人に対しジェノサイド(民族大量虐殺)を敢行していることを誰しもが知っています。また、2008年以来、香港は、民主主義が尊重されるという約束にも関わらず、中国によって侵略され続けています。

ダライ・ラマ法王と安倍晋三元総理(2012年当時)©チベットハウス・ジャパン

ダライ・ラマ法王と安倍晋三元総理(2012年当時)©チベットハウス・ジャパン

現在、中国は、台湾と日本、特に尖閣諸島 周辺海域への領海侵入を繰り返しています。南シナ海では、領有権を争うフィリピンベトナムマレーシアおよびインドネシアを中国が脅迫し、海洋紛争を平和的に解決する約束を反故にし続けています。

2021年12月、日本語版「チベット侵略 中国共産党100の残虐行為」(日本語版:飛鳥新社) が出版されました。本書は、言論の自由と人権擁護活動家の櫻井よしこ氏によって推薦されました。著書「中国共産党100の残虐行為(英語版) 」を世界中の方々に読んで頂き、北京でオリンピックを開催する機会を再び与えるに際して、正しいことをしたかどうかを判断していただきたいと思います。


毛沢東の真の後継者

2008年のオリンピックにより中華人民共和国が平和と民主主義に導かれるのを妨げるために、現中国国家主席習近平はどのような役割を担ったと思いますか。

中国共産党の方策により中国人も多大な被害を受けているという事実を認識することも重要です。悲惨な結末を迎えた毛沢東による大躍進政策と文化大革命、そして天安門事件と中国共産党がもたらした多くの恐怖は中国人をひどく傷つけました。

中国の習近平国家主席(AP通信写真/アンディ・ウォン)

中国の習近平国家主席(AP通信写真/アンディ・ウォン)

習近平は、中国国民を軽視する中国共産党の政策を継続しています。習近平は、世界の他の誰も気にかけていません。そして、習近平は、民主主義、自由、平和及び法の支配など、世界の他の国々が支持するものに関心がありません。

以前の独裁者毛沢東と同様に、習近平は、自身の権力のみを気にかけ、権力の座にしがみつくために何でもします。

世界は今、非常に危険な状況にあります。昨年のアフガニスタンでの出来事、そして現在ウクライナで起こっていることは、世界秩序が今、急速に変化していることを示しています。アジアにおいて、中国は大きな混乱を引き起こしています。中国は、インドとの国境を脅かし、昨年2月のクーデターでミャンマーを奪取した暫定軍事政権を支持していることが窺え、先に述べたようにアジアの海洋秩序を不安定化させています。習近平は、チベットを軍事化し、そして今やチベット人民の宗教や言語文化を破壊しようとしています。

世界中が、北京の影の下にある今、全世界は、習近平に対し過ちを指摘しなければなりません。そこで、私は、2022年北京オリンピックでの選手団の派遣拒否、政府関係者を派遣しない、そして無観客での開催といった完全ボイコットを支持します。人類の自由と価値観は、今、危機に瀕しています。

アスリートの皆さんが、懸命にトレーニングを積まれたことは理解していますが、個々人の目標達成のために人命を犠牲にすることはできません。この2022年のオリンピックは、アスリート同士による平和的な競技ではなく、民主主義と独裁政権、そして人権と中国共産党が支配する暗黒の未来との間の格闘なのです。

習近平に計画どおりにオリンピックを執り行わせれば、彼は、中国を超えて世界に対する独裁的な支配を継続する権限を付与された、と感じるでしょう。我々は、毛沢東の文化大革命の復活を目の当たりにすることでしょう。

世界人権デーに平和行進を行うチベット人、ウイグル人、南モンゴル人、香港人など。(2021年12月12日) ©チベットハウス・ジャパン

世界人権デーに平和行進を行うチベット人、ウイグル人、南モンゴル人、香港人など。(2021年12月12日) ©チベットハウス・ジャパン

人類社会を中国から救う

アジアにおける人権をめぐる闘いに参加者として加わるために、人々は何ができるでしょうか。

2月4日、チベット人やウイグル人、南モンゴル人などが在東京中国大使館前において街頭デモ活動を行います。

私たちは、人権のために戦い、北京政府によるオリンピック乗っ取りに抗議している人々を支援しなければなりません。

中国は、私たちを武力で征服しています。私たちは、声を上げることに恐怖を感じるようになっています。世界は、中国共産党に対する恐怖で、中国国民に同調しているのです。

ダライ・ラマ法王と元米国上院議員・国際信教の自由を担当する特使サム・ブラウンバック氏。

ダライ・ラマ法王と元米国上院議員・国際信教の自由を担当する特使サム・ブラウンバック氏。

このままでは、中国共産党の価値システム(脅迫、弱者いじめ、侵略及び残忍な抑圧)が国際社会に浸透してしまいます。世界に平和はないでしょう。

中国は今現在も、オリンピックを捻じ曲げようとしています。私たちは、断固として、「いいえ、私たちは中国共産党によるオリンピック買収を支持しない。神聖なオリンピックを血塗られた独裁政権の祝典に変えさせない。」と皆で声を上げるべきです。

オリンピックの神聖な精神と先人が懸命に苦労して築きあげてきた普遍的価値を、中国に冒涜させることはできません。

子供たちはいつか振り返り、そして「なぜ私たちの親世代は、オリンピック精神を破壊することに躍起になっている中国共産党に、神聖なオリンピック聖火を委ねたのか。」と問うでしょう。

著者: ジェイソン・モーガン

オリジナル記事

(翻訳:仁恕)

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