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「連れ去られたチベットの少年」出版記者会見

2021年5月17日
日本、東京
右から:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のアリヤ・ツェワン・アリヤ代表、東京大学の平野聡教授、アムネスティ・インターナショナル日本の北井大輔氏

右から:ダライ・ラマ法王日本代表部事務所のアリヤ・ツェワン・アリヤ代表、東京大学の平野聡教授、アムネスティ・インターナショナル日本の北井大輔氏

中国政府によるパンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマの拉致から26年を迎え、本日、チベットハウス・ジャパンは、この世界最年少の政治囚を解放するための支援を求める中央チベット政権による持続的なキャンペーンの一環として、中央チベット政権情報国際関係省が執筆した「連れ去られたチベットの少年」の日本語版を出版しました。

出版にあたり、東京の日本外国特派員協会(FCCJ)において、ダライ・ラマ法王日本・東アジア代表部事務所のアリヤ・ツェワン・ギャルポ氏は、「本日は、チベット人民にとって非常に重要な日であり、我々そして国際社会は、26年前に中国共産主義政権により拉致されたパンチェン・ラマを決して忘れてはいないという明確なメッセージを、中国指導部に対して発信したい。」と述べました。

さらに代表のアリヤ氏は、「宗教について無知であり、チベット仏教の輪廻転生制度とは縁もゆかりもない中国共産党指導部は、傀儡のパンチェン・ラマ、ギャルツェン・ノルブを祀り上げ、崇めるようにチベット人に強要したが、チベット人は、偽りのパンチェン・ラマに対して真に尊崇の念を抱いてはいない。」としています。

パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマの釈放を要求する中で、アリヤ氏は、「中国政府が、6歳のパンチェン・ラマを拉致し、26年間にも及んでパンチェン・ラマとその家族について、外部との連絡を絶ち続ける行為は、チベット民族の宗教の自由、人権そして子供の権利に対する著しい侵害行為である。」と述べました。

アリヤ代表は、中国政府に対してパンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマとその家族、そしてパンチェン・ラマ11世の選定責任者であったチャデル・リンポチェの所在に関する情報をすべて明らかにするよう要請しました。
またアリヤ氏は、中国政府に対して、ダライ・ラマ法王の輪廻転生制度に基づく選定及びチベット人の宗教の自由に対する干渉をやめるよう強く求めました。

さらにアリヤ氏は、「民主主義、人権そして、法の支配を支持する国々が連携し、基本的価値を侵害し抑圧する行為は誤りであることを中国政府に忠告する必要がある。」としました。

記者会見で東京大学の平野聡教授は、「パンチェン・ラマが行方不明となっている事実は、中国共産党による26年以上にわたる人権侵害の実態を示している。」と述べ、さらに平野教授は、パンチェン・ラマの悲劇的事件に注目するように国際社会に対して訴えかけました。

平野教授は、「清朝期において、金瓶掣籖を用いた方式によりチベット人化身ラマの選定をしていたことを論拠とした中国政府のチベットに対する統治権の主張は、化身ラマの選定においてチベット人民は、決して当該手法を用いておらず、真実ではない。」と述べました。また、平野教授は、チベット人自身によって化身ラマの発見及び選定がなされることが最も重要であると強調しました。

平野教授は、「そもそも中国は、国家主義を使ってチベット仏教文明を破壊しており、その中国に、チベット仏教の化身ラマを選定する過程に介入する正当性はない。」と述べました。さらに平野教授は、「中国は、パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマを解放し、チベット仏教徒自身に化身ラマを選定する権利を返還しなければならない。」と付言しました。

アムネスティ・インターナショナル日本の中国チームコーディネーターである北井大輔氏は、中国政府に対して、パンチェン・ラマ11世とその家族の所在を明らかにし、そして、彼らを自由に村に戻して、制限やハラスメントを受けることなく生活できるように要請したことを再確認しました。

北井氏は、独立した調査と証拠がない限り、国際社会は、パンチェン・ラマ11世ゲンドゥン・チューキ・ニマの所在に関する中国政府の主張を信用することはできないと述べました。

さらに北井氏は、チベットにおける人権に関する中国側の説明責任の欠如について述べる一方で、特にジャーナリスト、学者に対するチベット内部への相互アクセスの制限強化に深い懸念を表明すると共に、地域における人権状況を調査し立証することは極めて困難であるとしています。

北井氏は、説明責任をめぐる、いわゆる「相互に有益な協力」を促進させ、世界中の国々における深刻な人権侵害に対する綿密な調査をもたらすイニシアチブに対立することで、国連人権理事会の命令をゆがめようとする中国の取組みに対して重大な懸念を表明しました。

さらに、北井氏は、アムネスティ・インターナショナルは、中国政府による人権侵害を調査し対処するための独立した国際機構を緊急に創設することを求める市民社会団体による世界的な連合体に参画したと述べました。さらに、北井氏は、「あらゆる種類の綿密な調査から逃れようと試みる国家は、人権に対する根本的な脅威をもたらす。アムネスティのメンバーは、チベットと中国の状況に引き続いて焦点を当て、説明責任を求め、人権を保護する。」と述べました。

在日チベット人コミュニティの役員の筆谷カルマ氏

在日チベット人コミュニティの役員の筆谷カルマ氏

元文部科学大臣で衆議院議員の下村博文氏は、声明を発表し、在日チベット人コミュニティ執行部メンバーの筆谷カルマ氏が読み上げました。

下村氏は、声明の中で、中国政府によるパンチェン・ラマの拉致及び、過去25年間にわたる拘禁は、世界でもめったに見受けられない深刻な人道的危機であり、決して受け入れられないと述べました。

チベットの文化的、宗教的そして言語的アイデンティティを破壊する中国共産党の政策を非難した上で、下村氏は、可能な限り早く中国は、パンチェン・ラマの所在を公表し、そして、国際社会による呼びかけを心に留め、直ちにパンチェン・ラマを釈放しなければならないと述べました。

さらに下村氏は、「中国共産党に、ダライ・ラマの後継者も、パンチェン・ラマの後継者を選定する権利はない。チベット人民を除いて、世界中の誰しもこの権利を有する者はいない。チベットの人々は、仏教の伝統に基づいて、どの国からの干渉を受けることなく、宗教的指導者と参拝場所を選択する権利を有している。国際社会は、こうした権利をしっかりと尊重し、擁護すべきだ。」と述べました。

パンチェン・ラマの所在に関する記者の質問に答えて、代表のアリヤ氏は、中国政府が、パンチェン・ラマがなんの問題もなく元気に過ごしていると本気で主張するのであれば、我々や世界に対して、パンチェン・ラマの所在を知らせるべきであり、そして、国際社会や外交官らがパンチェン・ラマと面会し、本人から元気にしているかどうかを確認すべきだと述べました。

ここで記者会見の映像をごらんになれます【YouTube】

(翻訳:仁恕)

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