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対中協議「前向きな進展」

(2006年11月14日 朝日新聞)

12日まで日本に滞在していたチベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が同日、東京都内で朝日新聞記者の会見に応じた。中国政府との間で続けているチベット問題の協議について、「前向きな進展がある」と評価しつつも、(1)チベット人に抑圧的な政策が続いている(2)中国側は、ダライ・ラマ側が独立を意図していると誤解している、など指摘。ダライ・ラマ側が求めるチベットの「高度な自治」については、自治区だけでなく、周辺のチベット人社会も含める考えを示唆した。

現状は「チベットに抑圧的」

インドに亡命中のダライ・ラマ14世の帰還やチベットの将来像をめぐっては、亡命政府と中国政府との間で2002年から非公式協議が5回開かれている。これについて「信頼を築く努力をしてきたが、多くの誤解や不信感もあった。(協議で)前向きな進展があり、率直に対話できた」と語った。ただ、「(今年2月の)5回目の協議以降も、チベット自治区内の政策の多くはチベット人にとって抑圧的だ」と指摘した。

チベットの将来については「独立を求めない」とした上で、「外交と国防を除く、経済、文化、教育などの分野でチベット人の完璧な自治が必要だ」と改めて主張した。

自治の範囲は「中国内のチベット人約600万人のうち、自治区内に住むのは約200万人で、残りは青海省などに住んでいる。同じ問題に直面し、私たちは彼らに代わって主張しなければならい」と指摘。チベット自治区だけでなく、周辺の省にわたる可能性を示唆した。

胡錦涛国家主席が揚げる「調和社会」建設については「現実的で重要」と評価する一方、「調和は人々の心の中からわきあがるものだ。情報が制限され、法的根拠もなく死刑が行われる社会では実現できない」と語った。

9月末、亡命しようとしたチベット人たちが中国・ネパール国境で中国当局に銃撃され、少なくとも2人が死傷した事件でも、「中国当局によるチベット殺害は日常茶飯事だ」と批判した。

ダライ・ラマ14世 会見要旨 

チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世との会見要旨は次の通り。

【中国との交渉、チベットの自治】

(9月末、亡命しようとしたチベット人が中国・ネパール国境で中国当局によって銃撃され死傷した事件について)悲しいことだ。子供も含む15〜20人が逮捕され、一体何が起きたのか関心を寄せている。50年代以降、中国当局にチベット人が殺されるのは日常茶飯事となった。

(チベット問題をめぐる中国との協議では)前向きな進展もあり、率直に対話もできた。だが、5回目の協議以降もチベット自治区内の政策は抑圧的で、現在の状況はまるで文化大革命のようだと聞いている。私たちは「人民の敵」とされている。私たちの立場は変わらない。独立を求めず、中国憲法の範囲で自治のあり方を模索している。欧米諸国も、そして多くの中国人でさえ我々を理解している。中国政府だけが、私が独立を求めていると誤解している。

外交と国防は中国政府にゆだねる。それ以外の経済、文化、教育、環境などはチベット人が責任をもつべきだ。分離を考えておらず、中国の中に残りたい。唯一の関心はチベットの文化や伝統、環境の保護だ。

青海省や四川省などにもチベット人が住んでいる。600万人チベット人のうち、チベット自治区内には200万人だけ。他の省に住む人も同じ問題に直面しており、環境や伝統、言語を守らなければならない。彼らは声を出せないから、我々が主張しなければならない。中国政府はすべてのチベット人への対応を考えなければならない。

【胡錦涛指導部への評価】

中国はトウ小平時代に、外の世界に開かれ、経済発展を遂げた。江沢民の時代に、労働者階級以外の階層も重視するようになった。胡錦涛時代は、「調和」を重視している。様々な意見の対立が表面化したからだ。この考え方は現実的で重要だ。だが、調和は強制的に作り出すものではなく、人々の心の中からわき出るものだ。情報が制限され、法的根拠もなく死刑が行われる社会では実現しない。

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