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カルマパ亡命の結果、
幼いラマ僧、僧院を強制退去

2001年7月2日
チベット・インフォメーション・ネットワーク(TIN)

カルマパ17世により転生を認められた8歳のラマ僧、パオ・リンポチェは、昨年のカルマパの亡命以来、自身の僧院からラサに移動させられ、僧衣を着ることも止めさせられ、普通の小学校に通うよう強制されている。

カギュ派のチベットに残っている最も重要なラマの1人であり、その認定を中国の権威によって是認された若いリンポチェは、昨年夏のラサへの転居以来、厳重な監視下に置かれ続け、 宗教的な勉強を引き継ぐことも許されていない。2人の警備員が、毎日小学校に同行し、リンポチェが彼の母親と住んでいる住居への訪問は制限されている。現在、亡命中でパオ・リンポチェを知っている幾人かのチベット僧は、パオ・リンポチェの僧院からの移転は、2000年1月に亡命したカルマパの亡命への報復であると言った。

パオ・リンポチェの伝統的な本山は、チベットでのカルマパの僧院ツルプ寺の近く、ラサ市トゥールン・デチェン地区のネナン僧院である。二つの僧院は、宗教的にも社会的にも親密である。パオ・リンポチェとカルマパの化身には重要な歴史的なつながりがある。二人は前世で師弟の間柄であった。ネナン僧院の上級ラマであるラマ・ツェワン・タシは、2000年1月にカルマパ17世と認定されている15歳の少年ウゲン・ティンレー・ドルジェと共にインドへ亡命した。ネナンとツルプ僧院のモラルは、パオ・リンポチェの移住とカルマパの亡命の結果低下した。両僧院の僧侶の数が減少したのは、僧侶の排除を誘導する愛国教育キャンペーンの結果であり、また上級の宗教指導者不在のために、僧侶達が僧院を去って行くということでもある。

現在亡命中のその地区からの僧侶の1人がTINに次のように語った。「以前は多くの巡礼や観光客がネナン僧院を訪れたが、今はラマがいないので訪れる人は少ない。これはカルマパが去った後のツルプでも同じだ。パオ・リンポチェのいない僧院にはもういたくない、と言って数人の僧侶がネナンを去った。今は皆が悲しい思いをしている。」同じチベット人情報提供者がTINに語ったところでは、ネナンの僧侶はパオ・リンポチェの写真を所持することも禁じられているという。

ツクラ・マウェ・ダヤンは、1994年にパオ・リンポチェの第11代目の転生者として、カルマパ17世によって認定された時、15ヶ月の幼児だった。彼を捜索すべく出発した捜索隊は、1991年インドで死んだ第10世パオ・リンポチェの転生者を訪ね歩いた。メンバーは、当時ツルプにいた、ティーンエイジのカルマパの書いた手紙によって助けられた。それは、場所の詳細、子供の生まれ年と時間、そして両親の名前の手がかり、境遇に関する情報を与えるものであった。認定の後、ツクラ・マウェ・ダヤンはナクチュ県の自分の家から連れて来られ、1995年即位した。その地方から来ている僧侶の1人がTINに語った。「パオ・リンポチェは認定後、ツルプヘ連れて来られ、カルマパは第10世パオ・リンポチェの所有物を与えた。」

中国当局はカルマパによるパオ・リンポチェの地位の認定を追認した。カルマパ自身はダライ・ラマによって認定され、また北京からもチベット仏教の4つの主要な宗派の1つの座首として認められていた。亡命中の別のチベット人僧侶はTINに、中国当局は以前はパオ・リンポチェを受け入れたが、「カルマパが亡命した今となっては、中国人はパオ・リンポチェを嫌っており、彼らはリンポチェのことを贋者のラマだと言っている。」と語った。当局がネナンの状況に神経を尖らせているということは、2000年12月に、欧米の政府代表が、特別な要請をしたにも関わらず、ネナン僧院を訪問する許可を得られなかったことから明らかとなった。

ネナン、ツルプ両僧院での宗教活動は、カルマパの亡命及びパオ・リンポチェの首都への強制移転以来低下している。「カルマパが去って以来、ツルプ僧院の発展はもちろん、宗教的秩序、戒律も傷付けられた」とその地方出身のチベット僧は語った。「地方当局者が僧院の中心部に送り込まれ、彼らは僧院の民主化管理委員会の支援を得て、僧侶達に対する政治的、イデオロギー的な教育の厳しいプログラムを強制し始めた。伝統的な宗教カリキュラムや活動は傷つけられ、ないがしろにされた。その結果、宗教学究は以前のように真剣に行なわれなくなっている」

カルマパがインドへ亡命する前はツルプとネナンの両方で開発計画が進行中であった。ツルプからラサへの道路が、欧米と台湾の仏教組織の資金援助で建設されることになっていた。そして、ネナン僧院のラマ・ツェワン・タシが、その地方の教育と保健施設の発展に尽力していた。当局はカルマパの亡命以来ツルプへの道路建設を棚上げにしたと伝えられている。

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