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米国による中国への恒久的最恵国待遇供与

2000年5月26日
毎日新聞

中国に恒久的な最恵国待遇(MFN)を供与する法案が24日、米下院本会議で可決され成立が確実になったことは、巨大な中国市場で大きな利益を確保したいクリントン政権と、恒久化を経済改革のテコに利用しようとする中国政府の思惑が一致した結果だった。ただ、法案が人権監視を条件にしていることに中国は内政干渉と反発するなど、将来の米中対立の火ダネはなおくすぶっている。

自由貿易を掲げる経済界と雇用不安を訴える労組の激突。今回の法案審議は、クリントン政権が発足した1993年11月、北米自由貿易協定(NAFTA)の実施法案を可決した構図とそっくりだった。

政権発足時と、残り任期半年余りとなった政権最終段階でそれぞれ難しい貿易法案を可決させたことは、クリントン政権が民主党の支持基盤である労組より、輸出や競争を重視してきたことを意味する。

「議会は製造業や働く家庭に背を向けた」。トラック運転手の労組・チームスターのホッハ会長は可決に失望を隠さない。

労組の懸念や反発を無視してまで米政府が恒久化に突き進んだのは、「ゲンコツより手をさしのべた方が影響力を行使できる」(クリントン大統領)との考えからだ。世界経済に中国を取り込むことが中国の改革を推進させ人権問題解決にもつながる、という発想が背景にはあった。

米政府は、可決には反対派の多い民主党から少しでも多くの支持をとりつけるのがカギとみて「できることは何でも動員した」(通商交渉筋)。態度未定の議員に大統領自ら何度も電話で支持を要請。地域の教育予算増額、中国が低価格のコークスを輸出しないよう調整する—など、議員の選挙区事情に合わせた“アメ”も用意した。

さらに、ノーベル経済学賞受賞の学者、歴代の大統領をはじめ国務長官、財務長官、米連邦準備制度理事会(FRB)のグリーンスパン議長らの支持表明が連日のように企画された。チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が「中国のWTO加盟は改革促進につながる」と発言したのも米政府の根回し、という見方まで出ている。

経済界の大半は、今回の可決を「国際経済の中での米経済の競争力の維持にとって重要な1歩だ」(モトローラーのガルビン会長)と歓迎している。米投資銀行の試算では、2005年までに輸出が年間約270億ドルと現在の倍になるという見通しもある。

ケイトー研究所のブリンク・リンジー上級研究員はMFN恒久化を「中国を世界的な市場経済に取り込む動きの始まりにすぎない」と分析する。13億人の人口を抱える巨大な中国に資本主義がどのように食い込んでいくのか。中国は社会主義と自由貿易の折り合いをどうつけるのか。米中は新たな経済競争の時代を迎えようとしている。

最恵国待遇(MFN=Most Favored Nation)とは(毎日新聞より抜粋)

ある国に与えた関税や輸入手続きなど有利な通商条件をすべての国に同様に与えるルールで、世界貿易機関(WTO)の基本原則。WTO加盟国は互いに供与するが、米国はこれまで中国に対しては特例措置として毎年、議会審議を経て更新。 米議会は中国の人権や台湾政策などを監視する手段にこれを利用してきた。中国側は恒久供与を強く要請し、昨年11月のWTO加盟に関する米中合意では中国が一層の市場開放を約束。米国は恒久的なMFN供与を言明した。

1986. 7中国が関税貿易一般協定(ガット)への加盟を申請
1989. 6天安門事件。加盟作業部会が中断
1995. 1世界貿易機関(WTO)発足
1996. 3中国軍が台湾総統選挙に合わせて大規模規模演習
1997.10中国の江沢民国家主席が訪米
1998. 6クリントン米大統領が訪中
1999. 4朱鎔基首相が訪米。中国のWTO加盟問題の年内解決で合意
1999. 5在ベオグラード中国大使館誤爆事件。
中国政府が米国との軍事交流・人権対話の停止を発表
1999.11中国のWTO加盟に関する米中交渉が妥結
2000. 1米中ハイレベル定期軍事協議再開
2000. 5米下院本会議が対中MFN恒久化法案を可決

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