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中国、統治不安定化恐れる 「亡命」 非難控え静観

2000年1月10日
読売新聞

【北京9日】チベット仏教カギュー派の最高位の活仏(生き仏)、カルマパ17世(14)が、中国チベット自治区からインドへ密出国した事件について、中国政府は9日現在、まだ公式に「亡命」とは決めつけてはおらず、政治・外交問題化を微妙に回避している。事態の拡大によるチベット統治の不安定化を防ぐ狙いと見られ、当面は17世を受けいれたダライ・ラマ亡命政権などの対応を見守る構えだ。

中国政府は、7日に国営新華社通信を通じ、17世が「ラサを離れた」との簡単な発表を行って以降、公式には事件に関して何ら論評していない。中国主要各紙も8日付の英字紙「チャイナ・デーリー」と「人民日報海外版」を除いて報道しておらず、しばらくは17世の行動などを静観するとの当局の姿勢をうかがわせている。

チベットの政治・宗教情勢に大きな影響力を持つ17世のような高位の活仏は、その活動が当局の指導・監視下に置かれており、自由な国内移動や出国は許されていない。このため、中国当局にとっては、17世が無許可でチベットを離れ、インド亡命中のダライ・ラマ14世と面会したという行為は政治的反逆そのものと言え、政治内部では今回の事件を事実上の「亡命」と認識していることは間違いない。

しかし、政府の公式発表は、17世がラサの寺院に「歴代カルマパの黒帽、法器を入手するための出国。国家や民族に対する謀反ではない」との置手紙を残して立ち去ったと指摘しているだけで、不法出国そのものについては一切批判していない。置手紙の内容が事実がどうかは確認されいないが、政府発表からは「事態を複雑化させず、早期帰国の道を用意しておきたい」との中国当局の深謀遠慮がうかがわれる。

こうした慎重な対応の背景には、
㈰「亡命」非難はチベット統治失敗を国際社会に印象付けることになり、今後、帰国交渉を行う上でも不利
㈪対決姿勢を示せば、1959年の亡命事件以来41年間も未解決になっているダライ・ラマ問題の二の舞になり、チベット情勢の新たな不安定要因になるとの政治的配慮があるものと見られる。

17世のインド滞在が長引き、ダライ・ラマ亡命政権との同一歩調といった動きが表面化した場合、中国政府としては公に「祖国分裂活動」と見なさざるを得ず、対応に苦慮しそうだ。

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