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ダライ・ラマ法王のメッセージ:地球を救うのは私たち、できるかどうかは政治家次第

2020年9月14日

仏陀が誕生されたとき、母マーヤ夫人は樹木にもたれかかってからだを支えておられました。仏陀は、菩提樹の下で瞑想をして悟りを開かれ、頭上を覆う樹々に見守られて息をひきとられました。もし仏陀が私たちの世界に戻って来られたなら、間違いなく環境保護活動とつながりを持たれたことでしょう。

私自身について言えば、環境保護活動を促す自発的な取り組みを支援することに何のためらいもありません。この青く美しい地球は私たちの唯一の棲み家なのですから、環境問題は人類の存続に関わる問題です。この1年にわたり、何百万人もの若い兄弟姉妹の皆さんが政治的指導者たちに抗議し、気候変動に有効な対策を取るよう求めてきました。そのおかげで多くの人々が、私たちのだれもが生態系の破壊と生物多様性の激減に直面していることを知るようになりました。

私は、17歳のスウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんに心から感謝しています。グレタさんの努力によって、直接行動を起こす必要性が高まり、世界中の学校の生徒たちの間で地球温暖化の問題に関心が持たれるようになったからです。これは目覚ましい成果です。グレタさんは大変若くありながら、じつにすばらしい普遍的責任感の持ち主です。私はグレタさんの「未来のための金曜日」[注]運動を支持しています。

私は、この地球で共に暮らしている人間家族が正しい方向に向かう手助けをする義務は、私たち一人ひとりにあると思っています。ただ祈り、願うだけでは十分ではありません。私たちそれぞれが責任を負う必要があるのです。人間が起こす大きな運動は、個々の人間の自発的な取り組みから生まれるからです。

21世紀を生きる若者たちは、平和・対話・思いやりの世紀を築くための変化をもたらす力と機会を持っています。たとえ地球温暖化が激しさを増そうとも、多くの若者たちが協力して解決策を見いだし、分かち合うことでしょう。若者たちは、私たちの真の希望です。

様々なアイデアを決定するのは上に立つ人々かもしれませんが、それを実行するのは下で働く人々でなければなりません。なぜなら、下で働く人々の努力は現実的で理由に基づいているからです。私は、若者たちがかならずや真の変化をもたらしてくれると信じています。

しかしながら、若い世代に期待を寄せているだけではいけません。私たちは、この問題を緊急に対処してくれる政治的指導者を選ぶ必要があります。環境政治学と選挙が強く関連していることは、私たちがこんにち目にしている通りです。

ドイツ、スイス、フィンランド、ベルギー、オランダ、欧州議会では、環境問題への意識が高い議員が選挙で大勢選ばれるようになりました。これは世論や市民運動によって政治家の意識を変えることができることを示すよき兆候です。

私は、政治家たちが気候や環境の保護についてさほど真剣に考えていないのではないかと感じることがよくあります。無関心は、一番の敵です。

集会や会議を開いているだけでは十分ではありません。私たちは、よき変容をもたらすためのスケジュールを組まなければなりません。政治的指導者たちが今すぐ行動に移して初めて、私たちは希望を持つことができるのです。わずかな人々の欲のために、文明を犠牲にしてはいけません。

ジャーナリストたちには、平等に重要な役割があります。私は彼らに、「現代社会において、ジャーナリストは人々に認識をもたらすという特別な責任があるのだから、悪いニュースだけでなく、希望を与えるようなニュースも伝えなければならない」と言っています。

最近の研究では、カーボンバジェット(炭素予算)が上限値を超える寸前であることが示唆されています。したがって、炭素は現代の最も重要な通貨となるはずです。政治家たちは次第に弁解の余地を無くしていますが、私たちも時間を賢く使わなければなりません。

私たち人間と環境とのバランスを取り戻すためには、地球上の70億の人間が普遍的な責任を持つ必要があります。人類はひとつの人間家族であることをよく理解することは、気候変動という問題に直面している人類が存続するための真の鍵なのです。

次世代の未来はすべて私たちの肩にかかっているのですから、間に合わなくなる前に決断し、行動しなければなりません。

私は僧侶ですので、子どもがいません。しかし、子どもがいる方々は、わが子やその孫たちの未来がどうなるかを考えなければなりません。21世紀は始まったばかりです。しかし、今から、22世紀、23世紀にはどうなるかという可能性を見据えておくべきでしょう。



[注]:「未来のための金曜日(Fridays for Future)」とは、グレタさんが毎週金曜日に学校を休んで訴えている環境運動で、2019年には150を超える国々で4500回の気候変動対策運動(気候変動に対する具体的な行動を求める学生ストライキ)が行われ、その多くが9月20日と9月27日の金曜日に集中したことから名付けられた。
2020年9月14日付 ロサンゼルス・タイムズ紙の論説からの転載

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