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人権侵害の現状(2018年10月版):②監視活動について



移動の自由に関する制限:グリッド・システムを使用した監視活動

「社会的安定性維持」の名のもとに、チベットは厳密な監視・管理を受けている。2012年に「グリッド・システムによる社会管理」の施行により、600カ所以上の派出所やハイテク監視カメラが設置され、特に元受刑者やインドの亡命チベット人コミュニティから帰国した者など「特別グループ」の常時監視が徹底している。

チベット人の表現、信仰、集会、移動の自由に対する措置はそれまでも厳しかったが、「グリッド・システムによる社会管理」により、さらに状況が悪化した。この制度のもと、指定区はさらに細分化されている。例えば、首都ラサのチャムドなどは175地区に分割されている。当局員が「問題を発生させる可能性のある人物」を特定して監視し、各地区に駐在する地域職員からリアルタイムで情報を収集することを容易するのが目的である。

住民のすべての行動は監視事務局のスクリーンに映し出され、各地区に駐留するグリッドスタッフのスマートフォンから、情報がジオタグ付きの画像とともにアップロードされて、監視事務局に送られる。

発行されたIDカードにも、スマートチップが搭載されている。北京在住の作家、オーセル氏がラサを訪れた際に、同じ電車で到着したチベット人のIDカードを中国当局者がスキャンしていたと綴っている。IDカードの持ち主の行動を制限するために、ラサ一帯のすべてのチェックポイントでIDカードのスキャンが行われ、要注意人物であると表示された持ち主は通行を拒否される。

「すべての村は要塞になり、誰もが看守である」――というのが、各村に拠点を置くグリッド管理チームがその活動目的を謳う公式スローガンである。


仏教法話会開催中に課せられた旅行の制限

中国政府は、チベット本土のチベット人がインドで行われる仏教法話会に参加するのを阻止するために、厳しい旅行制限をたびたび行っている。

2017年、中国政府は、釈迦が悟りを開いたインドのブッダガヤで2017年1月2日から14日に行われたダライ・ラマ法王による第34回カーラチャクラへの参加を阻止するために、チベット人に対して厳しい移動制限を課した。純粋に仏教の集会に参加することを目的に、合法的な旅行をしようと何年にもわたって費用も費やしてチベットからインドに渡った数千人の仏教徒たちが、インドからチベットに戻るよう強制された。

情報筋によると、チベット本土からインドを訪れたチベット人約7千人が、中国当局からの圧力を受け、カーラチャクラ開始前にチベット帰国を余儀なくされたという。

当局は、インド旅行中のチベット人たちの家族に対しても、カーラチャクラが始まる 2017年1月3日より前に旅行者たちがインドから帰国しなければ、補助金の削減や解雇の他、厳しい罰則を課すことになると脅していた。ネパールの各旅行代理店には中国から旅行に関する通達が届いた。すべての航空会社や旅行業者に手配した2017年1月10日までのすべての予約をキャンセルせよというものだった。

チベットに帰国した数千人のチベット人は、帰国と同時に拘束され、パスポートは没収の上、破棄された。2012年にも、チベット本土からカーラチャクラに参加した1万人以上のチベット人仏教徒たちの多くが、チベット帰国と同時に投獄されたか、拘束されて中国軍の収容所で「再教育」を受けるなどした。

2018年1月に、再び同様の規制が課され、中国政府は、インドのブッダガヤで行われたダライ・ラマ法王による法話会への参加を阻止するために、チベット人へのパスポート発行や再発行を拒否した。




(翻訳:植林秀美)

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