チベットの穀物と野菜

「チベット政治史」(亜細亜大学アジア研究所)より抜粋

チベットの主なる農作物は青稞麦、小麦、黒マメなどである。その他の農作物はトウモロコシ、豆、ソバ、カラシ、大麻等。杏、桃、梨、林檎、胡桃などの果実樹と同様、柳とポプラの木はごく普通に見うけられる。苺、葡萄、大黄、キノコ類は豊富にはえる。ジャガイモ、キャベツ、カリフラワー、トマト、蕪、玉ネギ、ニンニク、セロリ、二十日大根などの野菜は低地にごく普通に生育している。しかし高地では、牧草を除き、ほとんどの野菜はとれない。以前は年間の穀物生産高がチベット人口の需要量をはるかに凌いでおり、余剰の青稞麦と小麦は25年から50年にわたって貯蔵することができた。貯蔵に適した気候のおかげである。

薔薇、ヒマワリ、アスター、ダリヤ、フロックス、蓮、マリーゴールド、スイートピー、矢車菊、カーネーション、パンジーなどの温暖な地方に生えるはずの草花も生育する。イギリスより輸入された花の種は見事な成長ぶりを示した。野生の蘭などの野の花も豊富である。薬草は低地で見いだされる。

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