チベットの気候

「チベット政治史」(亜細亜大学アジア研究所)より抜粋

北チベットでは標高4800メートルにも達する場所に、南チベットの最も高度の低い地域では標高1200メートルほどの場所に人々は居住している。だが人々の大半は標高200メートルから3600メートルの間に住む。チベットの首都ラサは標高3300メートルに位置する。北の地方は標高が高いため耕作には適さず、羊とヤクの放牧地として使われている。標高3600メートル以下ならば耕作可能である。

チベットの気候は標高によって大いに異なる。一般に空気は乾燥しており、日差しは強い。標高が高ければ気候はより寒冷に、そして雨量は減少する。しかし低地ではほどよい量の雨が降り、比較的温暖な気候である。たとえばラサでは最高気温33度、最低気温-10度、降雨量は最高が5.4センチ、最低が4.5センチとなっている。

チベットは常に雪と氷に閉ざされて生きているものと外の世界の人々は想像しているが、実際のところチベットではめったに大雪は降らない。しかしいったん降れば、溶けるまでに相当な時間を要する。平原に大雪が降っても、1.6メートルに達すればいいところである。しかし北インドの志村では降雪量が3メートルに達することもしばしばある。チベットの南国境地域の降雪量は2メートルから2.5メートルである。

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