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ダライ・ラマ法王75歳の誕生日によせて−デズモンド・ツツ大主教のメッセージ

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(2010年11月16日)

本日は私の大切な友人であり、またチベットの宗教的、政治的指導者でもあられるテンジン・ギャツォ、ダライ・ラマ法王の誕生日です。私はこの祝福すべき日をフリー・チベット(Free Tibet)の支援者と共に祝いたいと思います。

ダライ・ラマ法王を敬愛してやまないチベット内部の人々がこの日を共に祝えないことは大変残念なことです。彼らは公にダライ・ラマ法王の長寿を祝うことも、またチベット仏教の伝統に従って香をたくこともできません。勾留・拷問といった刑罰を科せられる恐れから法王の写真を携帯することも飾ることもできずにいるのです。チベットではダライ・ラマ法王の影響を極力排除するために様々な方策がとられています。僧や尼僧は法王を非難することを強いられ、それを拒めば罰金を科せられたり修道院・尼僧院から追放されたりするのです。これらは世界人権宣言に謳われた宗教と信仰の自由を侵害するものに他ありません。

思いやりの心、寛容さそして非暴力の精神を広めるために生涯を捧げた我が友の努力は世界中で認めらてきました。1989年にはチベットに自由をもたらすための非暴力の活動が評価され、法王にノーベル平和賞がおくられました。ダライ・ラマ法王は私だけでなくさまざまな信仰をもつ世界中の人々を励まし、最悪の境遇にあってもなお思いやりと慈悲の心をもって生きる勇気を与えてくれています。

この晴れの日を世界中の人々と祝いつつ、私はフリー・チベットと共に中国政府にお願いをしたいと思います。思いやりの心、忍耐そして寛容さのお手本のようなこのお方を慕い敬う権利をチベットの人々から奪わないでください。そして、今日ダライ・ラマ法王の誕生日を人知れず祝わなければならないチベット人が大勢いることを忘れぬよう、国際社会に呼びかけたいと思います。今日私の言葉はチベットの人々には届かないかもしれません。それでも私たちは彼らと団結し、彼らに代わって敬愛するダライ・ラマ法王の75歳の誕生日を皆が自由に祝えるように訴えたいと思います。

2010年7月6日