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第一回IOJアヒンサー賞、 ダライ・ラマとネルソン・マンデラが受賞

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(2007年10月8日 チベットオフィス、ロンドン)

(ロンドン)8日夜、英国下院で盛大な式典が執り行われ、チベットの精神的・政治的指導者ダライ・ラマ法王と、南アフリカ共和国前大統領ネルソン・マンデラ氏に、第一回アヒンサー賞が授与された。 授与したのはロンドンに拠点を置くジャイナ研究所 (IOJ)。アヒンサーとは、インドの言葉で、「非暴力」を意味する。

この日、ダライ・ラマ法王の「非暴力に対する貴重な貢献」を讃えて、主賓であるコミュニティー・地方政府担当大臣ヘイゼル・ブレアーズ氏より美しいガラス製の記念品が贈られ、ダライ・ラマ法王代理タシ・ツェリン氏がこれを受け取った。タシ氏は、ロンドンにあるチベットオフィスの代表であり、ロンドン、ポーランド、バルト諸国におけるダライ・ラマの代理人である。

授賞式に先立ち、司会者のプージャ・ジェイン氏は、国会議員、宗教指導者、外交官、IOJメンバーなどが集う中、「今回、IOJ理事会は、選考のためのリサーチの結果にもとづき、中国からの解放を目指すチベットの非暴力の闘争で1989年にノーベル平和賞を受賞したダライ・ラマ法王の功績に対して、第一回アヒンサー賞を贈ることとなった」と述べた。さらにジェイン氏は、ダライ・ラマ法王は、全世界の環境問題に対する尽力を認められた最初のノーベル平和賞受賞者であるとも加えた。

式典のハイライトは、タシ・ツェリン氏によって伝えられたダライ・ラマ法王からのメッセージである。メッセージの中でダライ・ラマ法王は、チベットの人々の主張が、中国国民だけではなく、国際社会からもより多くの支持を集めているのは、非暴力を貫いてきたからに他ならないと述べた。「私は、中国人も含め、世界中でますます多くの人々が、チベットの主張に理解を深め、支持してくださるのは、我々が非暴力の実践を信頼してきたからです。今回の受賞は強力な精神的支援であり、チベット人だけではなく、すべての虐げられた人々にとって希望の源となります。」さらに、「私は、世界の様々な地域で人々に出会うとき、いつも人間とは基本的に皆同じなのだと気づかされます。異なった衣服を着、異なった皮膚の色をもち、異なった言語を話すという事実は、私たちを表面的に区別しているに過ぎません。私たちの基本的な人間性は、私たちを互いに繋ぐものであり、互いに理解しあい、親近感と友情を育むことを可能にするのです。」と付け加えた。

法王は、「私たちは、幸福を求め、苦しみを望まない、基本的に皆同じ人間だ」と気づくことは、他者に対する愛情や思いやりといった暖かい感情を養うために大きな助けとなる。また、それは必要不可欠でもあると語った。「今、我々が住む世界はどんどん小さくなっている。もしこの世界で生き残りたいのなら、愛情や思いやりは欠かすことが出来ません」とも述べた。そして再度、ビルマ人の平和と民主主義を求める平和的な闘争に対する指示を、世界に向けて強く呼びかけた。

「私がこのメッセージを書いている間にも刻々と変化するビルマ情勢は、非暴力と平和的手段で行動する際や残虐行為に直面した時に、勇気や不屈の精神が必要であることを、私たちにはっきりと思い出させてくれます。私は、自由と民主主義を求めるビルマの平和的活動に対し、心からの支援を表明します、またこの機会をとらえ、世界中の自由を愛する人々に向けて、こうした非暴力活動を支援してくださるよう、それがどこで起こっていようと支持してくださるよう訴えたいと思います。」と法王は語った。
会場は、法王のメッセージへの称賛で大いに沸いた。

ジャイナ研究所 (IOJ)は、ジャイナ教への理解を促進し、他宗教にジャイナ教を伝え、宗教間の関係を促進する目的で1983年にロンドンで設立された。ジャイナ研究所はロンドンと、インドのアーメダバードに事務所を持つ。ロンドン事務所は、全世界のIOJの活動の調整を行なっている。今回、ダライ・ラマ法王へ贈られたアヒンサー賞は、世界中のジャイナ教社会を代表して授与されたものである。