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ダライ・ラマ法王 2012年秋来日報告

2012/11/13 東京/議員会館での講演 近代科学/仏教科学に関するパネルディスカッション

2012年11月13日

ダライ・ラマ法王は13日午前、日本の参院議員会館への歴史的訪問を果たし、およそ140名の超党派の国会議員を前に講演を行われた。

長期にわたってチベットを支援してきた牧野聖修議員が皆を歓迎し、多くの国会議員が法王の言葉を楽しみにしている、と挨拶した。

全国会議員および自民党を代表し、元首相で野党自民党総裁を務める安倍晋三氏が感謝の言葉とともに法王を歓迎した。同氏は人権の重要性を強調し、チベット内部のチベット人の人権保護のために皆で尽力しなければならないと語った。ロブサン・センゲ主席大臣との会見にも言及し、チベット人社会の民主化への努力を讃えた。

国会議員を相手にダライ・ラマ法王は、ご自身の二つの使命について詳しくお話になった。人間のよい本質を奨励する使命に関連させ、私たちの人類としての単一性と一つのより大きな『私たち』という概念を作っていくことの必要性について語られた。それによって他を思いやる気持ちが生まれ、自信や内面的強さも培われることになる。それは宗教を語らずともできることだ。

宗教間の調和を図るというもう一つの使命について説明した法王は、最近ビルマとバングラデシュで仏教徒とイスラム教徒間に起きた暴力を伴う衝突について言及された。全ての主たる宗教は、愛、思いやり、許す心、寛容さ、そして自己修養という共通のメッセージをもっている。二つのコミュニティー間で起きた衝突の原因は宗教的なものではなく、おそらく経済的要因といった他のところにあるのではないか、と法王は示唆された。

ダライ・ラマ法王は聴衆に向かって次のように助言した。「私たちは他の動物のようにあってはならない。私たち人間には害をなすネガティブな感情とポジティブな感情を区別する知能が備わっている。」

超党派議員によってチベット支援議連が設立されたことに対して法王は感謝の意を述べ、チベット問題が抱える二つの側面、つまり環境とチベット仏教文化についてお話になった。

「中国の科学者らはチベットを第三極と呼んでいる。それは、チベット高原が北極および南極同様、地球温暖化に大きく関与しているからだ。パキスタンから中国まで、アジア中を走る主要河川の水源はチベットにある。それらの河川が10億人以上の人々の生活を支えているのだ。だからこそチベットの環境保護には特別な配慮がなされなくてはならない。」

「無遠慮に聞こえなければいいが、チベット仏教文化に関しては、多くの知識人や科学者から大変有益だという言葉をいただいている。より平穏な心を導くのに役立つのだという。中国の友人らによれば、中国にも4千万人以上の仏教徒がいるらしい。チベット仏教文化を保護すれば彼らの一助にもなるということだ。」政治に関しては、2011年3月にそのあらゆる責務から退かれたと説明された。

講演会の最後に読み上げられた議員の声明文には次のようにあった。「ダライ・ラマ法王のこの来日を機に、国会議員だけでなく日本国内外の全ての人たちがチベット内部で続く執拗な人権弾圧の現状への理解を深めるよう心から願っている。チベット民族の正当な要求である真の自治と民主主義についても知るべきだ。チベット民族やウイグル民族をはじめとする少数民族への違法な人権侵害を直ちに止め、状況を改善するよう、私たちは党派を超えて中国政府に訴えていく覚悟である。国際社会に対しても直ちに同様のメッセージを発信する用意ができている。」

 

 

同日午後、法王はヒューマンバリュー総合研究所主催のパネルディスカッション『癒しに関する古代と現代の智恵 身体と心のバランス』に参加された。1500人余りの人で埋め尽くされたホールに二人のノーベル賞受賞者、ダライ・ラマ法王とマサチューセッツ工科大学の利根川進博士が会した。

 

ダライ・ラマ法王は、このような対談には二つの意義、つまり知識を広げること、そして、最新の科学的事実に裏付けられた私たち人間の内面のよい本質の重要性について一般の人たちに伝えること、があるとおっしゃった。
利根川進博士はご自身の研究課題、学習と記憶を掌るモレキュラー、セルラーニューラル回路を解明する遺伝子操作について話しをされた。
来日中、横浜、東京、金沢、沖縄、そして再度東京を訪れたダライ・ラマ法王は、12日間の滞在を終えられて明日14日、インドへの帰路につかれる。翌15日、ダラムサラに到着される予定である。


 (翻訳:中村高子)

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