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ダライ・ラマ法王2010年11月来日報告

8日目 (2010/11/13) 広島・ノーベル平和賞受賞者世界サミット 2日目

ダライ・ラマ法王の日本ツアー7日目は Time.com とのインタビューから始まった。30分に及んで中国の情勢、チベットの将来、そして劉暁波氏のノーベル賞受賞について語られた後、別の雑誌の取材を受けるために法王は階上の会議室へと進まれた。ホテル22階の会議室の窓から遠くに見える埠頭に並んだ漁船に時折目をやりながら、法王は月刊誌『家庭画報』の特別インタビューに応えられた。

ご自身の幸福観ややさしさについての見解、問題に直面した時の対処法などをお話になりながら、ご自身のお考えが仏教の教えから導かれたものではなく、生物学的ファクターを根拠に結論したものだということを強調された。

この200年間にもたらされた科学と技術の目覚ましい進歩によって私たちは豊かな生活と長寿を手に入れた。しかし物質には感情がないという事実に変わりはない、と力を込めて法王はおっしゃった。「ダイヤモンドの指輪は値が高い。10万ドルはするかもしれない。それでも指輪は愛情を示してはくれない。しかしそれがネコや犬だったらどうだろう。5ドルで買ったネコでも、薄汚れた子犬でも私たちにじゃれついてくるだろう。私たちは生きている。私たちには愛情が必要だ。」

さらに質問が続き、老人介護、死に対する恐れ、家庭崩壊の問題などについて話は及んだ。その後法王は第11回ノーベル平和賞受賞者世界サミットの討論会『核兵器使用が与える影響』に出席された。広島県知事および3名の医療団体代表が法王と共に壇上に登った。核兵器が人体に与える影響が詳しく説明された。1945年、30万人いた広島市民のうち14万人が原爆投下後5日以内に亡くなったという。

広島と長崎で人々が経験した苦しみや恐怖を振り返り、人々は核兵器廃絶のために立ち上がった。ダライ・ラマ法王は「不幸な出来事が、時としてポジティブなエネルギーを生むことがある」と説明された。1945年、一国の元首であり10歳の少年だったダライ・ラマ法王は、ラサでニュース映画を受け取った。そこには広島と長崎の上空にできたキノコ雲が映し出されていた。映写機を操作していたチベットの役人がそれを見て『核兵器だ!』と叫んだことを今でもはっきりと覚えている、と法王はおっしゃった。

「戦争とは合法化された暴力だと思っている。私たちはそういう考え方を変えなければいけない。宗教の教えによってではなく、教育の力によって。良心を働かせ、もっと皆が知るように努力しなければいけない。」

それから2時間後に始まった13日最後のセッション『核兵器がもつ法的、倫理的、経済的意味合い』には5人のパネリストが招待され、ダライ・ラマ法王は一人目の発表者として発言された。デクラーク元南アフリカ大統領とシーリーン・エバーディー氏の隣に座ったダライ・ラマ法王は、法の支配、報道の自由といった民主的なシステムの重要性について話をされた。

質疑応答の時間になり、カルカッタでマザー・テレサと共に働いた経験があるという日本人女性から、どのようにしたら法王のようにいつも寛容でいられるか、という質問が出された。「捕まえた人を前にして、その人を処刑しようか投獄しようかと考えている強硬派の中国の役人がいるとする。私たちはそういう人たちにこそ慈しみの心を向けるように心がけている。故意にそういう人たちの存在を心に想定し、独裁者には特別な慈悲の心で接するように努力するのだ。そういう人たちの心の状態を考えたら案じてやる十分な理由があるからだ。もしかしたら犠牲者よりも心配してあげる必要があるかもしれない。仏教には因果律という法則がある。他者を虐げている者は、将来様々な問題を引き起こすだろうカルマの連鎖の中に入ってしまう。反対に虐げられている者は、過去の悪いカルマの連鎖を消滅させられるかもしれない。そうなれば虐げられる者を心配する必要はなくなるのだ。」

デクラーク元南アフリカ大統領が討論を締めくくり、「南アフリカで学んだことだが、決して妥協しそうにない敵が相手でも、共に話し合いのテーブルにつくことはできるし、こちらが相手の気持ちや動機を理解しようとすれば、信頼関係を構築するきっかけが作れる」、と語った。ダライ・ラマ法王に賛同して同氏は、「これからは個人(民間)外交の時代だ」と繰り返した。

最後のセッションが終わり、歴代受賞者は、完全な核兵器廃絶への訴えなどを盛り込んだ世界サミット最終宣言について非公開で討議を行った。こうして覚めやらぬ興奮の中、日没とともにノーベル平和賞受賞者世界サミットの討論会は幕を閉じた。


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