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ダライ・ラマ法王2010年11月来日報告

7日目 (2010/11/12) 広島・ノーベル平和賞受賞者世界サミット開幕

第11回ノーベル平和賞受賞者世界サミットが被曝地広島で開幕し、ダライ・ラマ法王をはじめとする参加者が集い核兵器のない世界を目指して意見交換を行った。グランドプリンスホテルに集まった6人のノーベル平和賞受賞者および受賞団体代表、報道関係者、広島およびアメリカの学生らを、広島市立幟町小学校の生徒およそ70名が素晴らしい合唱で出迎えた。被曝地広島、そしてかつて幟町小学校の生徒であった佐々木禎子さんを歌った曲が選ばれた。佐々木禎子さんは広島で被曝し、10年後にわずか12歳で白血病で亡くなっている。病床で彼女が折り続けた長寿のシンボルである千羽鶴を彼女が亡くなった後も友だちは折り続けたという。

市立広島工業高校の生徒が手作りした金工折り鶴がノーベル平和賞受賞者に贈呈された後、79歳になる高橋昭博氏が自らの恐ろしい被爆体験を壇上で披露した。ごく普通の学生だった14歳の彼は学校の校庭で一機の飛行機が頭上を飛んで行くのを見ていた。一瞬閃光を感じたがすぐに気を失い、気づいた時には辺りの建物は全て破壊され何も残っていなかった。人々は剥がれた肉を体にぶら下げてよろよろと歩き、辺りには死んだ馬が横たわっていた。目玉が飛び出した女性もいた。

証言する高橋さんは声を震わせ、顔を歪ませた。そして何度も何度もハンカチで目頭を抑えた。高橋さんの話に熱心に耳を傾けていたダライ・ラマ法王は、証言が終わると真っ先に高橋さんに歩み寄り両腕で彼を包み込み励ましの言葉をかけられた。

広島市長、広島県知事そして長崎市副市長の挨拶の後、招待された6人が意見を述べた。その口火を切ったダライ・ラマ法王は次のように述べられた。「核兵器が抑止力として機能する場合があるが、それによる脅威は計り知れない。分別のない人や絶対的な力を手に入れた人間にその運命が委ねられたら理屈が入り込む余地はない。このような会合を開いても数名のノーベル平和賞受賞者が働きかけても核兵器をなくすことはできない。今世界中の誰もが努力をしなければいけない。高橋さんの証言をドキュメンタリーにして世界中の学校で子どもたちに見せるべきだ。」

続いてデクラーク元南アフリカ大統領が、暴力を無くすためにはその根本的原因を探る必要があると力強く訴えた。エジプト生まれのエルバラダイ全国際原子力機関事務局長(2005年ノーベル平和賞受賞)は、世界には広島に投下された原爆の5000倍の威力を持つ核兵器が存在し、1980年代には広島を百万回破壊できるだけの核弾頭が地球上に存在した、と説明した。核攻撃の警告を受けてから、一国の大統領が世界の将来を左右する決断を下すのに与えられる時間は多くてもわずか30分だという。「問題は原子力にあるのではない。問題は人の心にあるのだ」、と彼はアドレー・スティーブンソン氏の言葉を引用して言った。

1976年度ノーベル平和賞受賞者のアイルランド人マイレッド・コリガン=マグワイア氏、トマス・ステルザー国連事務次長補、近衞忠てる国際赤十字赤新月社連盟会長の発言が続いた。「私たちは『(全体としての)大きな私』という概念を作っていかなければいけない。世界中の70億人がその『私』の一部だ。そうすれば『敵』という概念はなくなる。」質問に答えてダライ・ラマ法王はおっしゃった。

核の脅威に立ち向かうために若者にできることは何か、というアメリカ人学生の問いに対して法王は「二次的にではなくもっと根本のレベルで考えてほしい。私たちはどうも国や人種、宗教といったものに囚われすぎる。もっと余裕をもって全体として考えてみてほしい。一つの次元から見て結論を出すべきではない。三次元、四次元、六次元の視点で観察するべきだ!それから政治家の言葉を当てにしてはいけない。宗教指導者の言葉もだめだ。ノーベル賞受賞者も信用できない。自ら調べ、追求しなさい!あなた方にはそれができる!」

長い昼食を挟んで第2セッションが始まった。ダライ・ラマ法王は第3セッションから再び参加され、そこで9・11事件について言及された。法王は事件後ブッシュ大統領にお悔やみを述べるとともにテロ攻撃に対して非暴力をもって対応されるようにメッセージをお伝えになった。しかし武力による報復手段がとられ、その結果テロの脅威は減るどころか却って大きくなってしまった。

さらに法王は、事態は刻々と変化しており、中国国民にも深い信頼を寄せていると述べられた。そして、「どの国においても、主権を有するのは数名の個人ではなく国民であるべきだ。戦争を望む国民は世界中どこにもいない。国民が望んでいるのは平和だ」と強調された。


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