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ダライ・ラマ法王2010年11月来日報告

6日目 (2010/11/11) 広島・ホテルにて取材、法話

11日朝、曇り空の新居浜市を後にしたダライ・ラマ法王は車で広島へと向かわれた。小島が浮かぶ海が一望できる滞在先のホテルに到着された法王を、『ノーベル平和賞受賞者世界サミット−ヒロシマの遺産:核兵器のない世界』の取材のために集まった報道陣が出迎えた。

コメントを求められた法王は、「核兵器は時代遅れだ。完全なる平和の実現は無理だが、戦争を減らすことはできる」と即答された。「G8や G20といった首脳会議が行われるが議題になるのは経済の話ばかりだ。お金は物質的な満足をもたらすが心の平静をもたらすものではない。お金によってある程度の満足を得られても実はそれは幻想だ。経済的に豊かになればそれだけ嫉妬心やストレスが増える。疑心や恐れも増す。そういう問題は全て物質的豊かさによって引き起こされるのだ」と法王は続けられた。「私たちの生活に物質は欠かせない。体だって必要だ。現代のテクノロジーもとても素晴らしい。しかし物質やお金だけで幸福になれると思ってはいけない。人間の内面に目を向けることがとにかく大切なんだ。」

ホテルで昼食をとられた法王は、車で広島市文化交流会館へと移動された。会場は法話『輪廻と業果』を聴きに来た人々で満員だった。ステージの両側を金や赤の僧衣を纏ったチベット人僧侶と日本人僧侶が埋め、壇上に登られた法王を経を唱えながらお迎えした。会場にはチベットの香のかおりが漂っていた。

法王は会場の人々と共に般若心経を唱えると、巨大なスクリーンを背に話を始められた。「仏陀への信仰がなくても思いやりの心をもつことはできる。仏陀は、彼を拝まないように、と人々に言った。仏陀は信仰を勧めていたのではなく、私たちに苦しみから解放されるための方法を教えようとしていたのだ。」「仏陀は私たちにもっと努力しなさいと語りかけていらっしゃる」と法王はおっしゃった。

会場から進化に関連して質問が出され法王は次のように説明された。「仏教では意識は絶えず移転すると信じられている。だからこの銀河系が誕生する以前には、私たちの意識は別の銀河系に存在していたことになる。私たちは旅人のようなものだ。この惑星ができて私たちはここに来た。ほんのわずかな時間それを楽しむために。私たちがまたここを去る時は来る。心が浄化されるまでこの営みは続く。心が浄化された時、私たちは輪廻から解放される。」

会場からまた別の男性が質問をした。彼の子どもは学習障害を持って生まれてきた。彼と彼の妻と子が抱えるこの苦しみをどうしたら終わらせることができるのか。ダライ・ラマ法王は寂天(シャンティデーヴァ)らの教えを説きながらその男性に語りかけた。世界には同じような苦しみをもつ子どもたちが大勢いる。しかしその多くが世話をしてくれる人さえいない環境で生活している。「そのように考えてみるだけでもあなたの苦しみは減らせるかもしれない。」最終的に、私たちは地球に住む70億の人々全てを『人類社会』に属する一まとまりのものとして意識する必要がある、と法王は強調された。『私たちは相互依存しているのだ』ということを理解すれば、様々な不幸な状況を減らすことができる。私たちは決して無力ではない。「しかし祈るだけでは問題は解決されない。将来への展望をもってそれに向かって努力しなければいけない。」

法話を終えて会場を離れる前に法王はおっしゃった。広島の人々は被曝によって想像を超える苦しみを経験した。広島の人々こそが核廃絶を訴えていくリーダーとなり得る、と。「一般的に大変な思いをすると人は物事をより深く理解する。皆さんはその苦しい経験を生かしてこれまで何十年もの間核兵器廃絶のために邁進してこられた。素晴らしいことだ!」

金色の夕日の中、船でホテルに戻られたダライ・ラマ法王を再び報道陣が囲んだ。法王が広島を訪問するのは今回が4度目であり、初めて広島平和記念資料館を訪れた時、『炎を以て炎を消すことはできない。憎しみという心の炎もまた憎しみを以て消すことはできない。もっと前向きに考えよう』とゲストブックに記帳した、と話された。

法王は報道陣を残し、歴代のノーベル平和賞受賞者や受賞団体代表が集まるホテルのロビーへと入っていかれた。


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