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ダライ・ラマ法王2010年6月来日報告 3日目

2010年6月20日 長野(チベットハウス・ジャパン)

Photoダライ・ラマ法王は今朝、約200名の日本人の僧侶と尼僧との会合を行なわれた。善光寺をはじめ、四つの日本の仏教教育機関がこの会合を主催した。

ダライ・ラマ法王は主催者にたいして、仏教に帰依する者同士が共に語り合える機会が作られたことへの謝意を表明され、「互いの知識を分かち合い、理解を深めることができるこのような会合は非常に重要です」と述べられた。

ダライ・ラマ法王は、チベットで仏教が普及した経緯を次のように紹介された。
「仏教がはじめてチベットに伝わったのは7世紀でしたが、具体的なかたちとなったのはインドのナーランダー大僧院の哲学者で論理学者であったシャーンタラクシタが8世紀にチベットに来られたときのことです。

仏教は、大まかにパーリー語とサンスクリット語の二つの経典に分類することができますが、中国、日本、韓国、ベトナムに伝わった仏教は、ナーランダー大僧院で用いられていたサンスクリット語の経典と同じものです。

『大乗経典』や『密教経典』は仏説ではないという意見もありますが、シャーンタラクシタ、ナーガールジュナ、ディグナーガ、ダルマキールティといった仏教の大哲学者が残した著作によれば、『大乗経典』や『密教経典』が仏説であることは極めて明確です」

対話セッションに入ると、災害などこの世の苦しみを解決するために仏教に何ができるか——に焦点が当てられた。ダライ・ラマ法王は、「他の宗教がそうであるように、仏教もまた、社会をより良く変えていくことができるすばらしい種を持っています。しかしながら、仏教の力だけではこの世の問題を解決することはできません。

この世の問題は人間が創り出した問題です。極端に自己中心的な態度や、ホリスティック(全体的)に物事を見ることができないがために造り出された問題なのです。この二つの欠点を分析し、改善していくという意味において、仏教はこの世の問題の解決に寄与できるといえます」と述べられた。

また、観音菩薩の化身であることについて訊ねられると、「私はひとりの僧侶であると同時に60億の人間のうちのひとりに過ぎません。私のことを生き仏と言う人もいれば悪魔と言う人もいます。どちらもナンセンスです。しかし、仏教徒は輪廻転生を信じていますし、私自身も前世の感覚を覚えることがあります。とりわけダライ・ラマ5世と13世には近しいものを感じています。

自分が菩薩の域に達したとか、菩薩の知恵を得たとか、そのようなことは一度も申したことはありません。しかし、仏教を実践する者として菩薩の知恵を経験してきたと申し上げることはできます」と述べられた。

午後、長野市で最大のホールである長野ビッグハットにおいて、7000人の聴衆を前に『善き光に導かれて』と題する講演会が行なわれた。ダライ・ラマ法王はステージに上がられると、「みなさんにこうしてお目にかかれ、私の考えを分かち合えることをうれしく思います」と挨拶を述べられた。

会場の人々が全員で般若心経を唱えたのを受けて、ダライ・ラマ法王は般若心経の説法をはじめられ、空と無我について簡単に説明された。

本題に入られると、「人間は社会的な動物です。私たちは互いに依存しあっています。本物の友情と愛情を築くうえで重要なのは信頼です。この信頼が幸せな家庭の基盤となり、さらには幸福な社会の基盤となります。つまり、私たちの生活の土台には他者への愛情があり、この人間的な愛情が幸福な人生の鍵となっていくのです。

私たちはだれもが母親から生まれました。その母親の愛情なしにはこの世に生まれてくることはなかったのです。そのことを思うと、道徳、内面的価値、愛、慈悲を育むことの大切さについて考えずにはいられません。

道徳は、宗教だけの問題ではなく世俗的なアプローチが取られていかなければならない問題です。もっと普遍的に扱われていく必要があると思います」と語られた。

質疑応答に入り、テロ行為に関して質問されると、「‘私’‘あなた’‘私たち’‘彼ら’というふうにあまりにも区別するのはよいことではありません。私たちはみなこの地球で暮らしているのですから、隣人の問題は自分の問題と同じなのです。テロ行為は人間が作った問題です。憎しみを解決していくというよりは、人間の感情のレベルの問題として解決していかなければなりません」と述べられた。

日本の若者へのメッセージを求められると、「英語を身につけ、日本の外のことにまで目を向けてほしいと思います。世界で起きていることを自分の目で見て、自分にできることを見つけて貢献していただきたいと思います」とアドバイスされた。

また、ご自身の英語力について、「私がしゃべるようなブロークンイングリッシュでも世界中どこへ行ってもとても役に立っています」と述べられ、会場を笑いで包まれた。

明日、ダライ・ラマ法王は長野市内の西方寺を訪問され、同寺の観無量寿経立体マンダラ堂の完成に伴い、仏像開眼法要、胎内仏奉納、四聖諦(四つの聖なる真理)についての法話を行なわれる。夕刻には石川県金沢市に向けて出発される。

(翻訳:小池美和)

ダライ・ラマ法王、日本の僧侶に仏教科学者の輩出を提案

2010年6月20日 長野phayul.com(ツェリン・ツモ記)

Photoダライ・ラマ法王は、国際会館で行なわれた200名の僧侶との非公式会合に出席され、
「日本には高度に発達した科学知識があるのですから、この知識と伝統的な仏教を融合させた知識を持つ仏教科学者を輩出するとよいでしょう」と述べられた。

ダライ・ラマ法王はまた、「慈悲や親切といった普遍的な価値にたいする理解を深めていくには、日本の僧侶のみなさんはもっと科学者との対話を行ない、科学と仏教の接点を探る必要があるように思います。

この数年、チベット人の僧侶と西洋の科学者による非宗教的な対話が行なわれています。心身のバランスを整える効果があるとして、瞑想が注目を浴びているのです。心が穏やかであるときにはストレスが減り、高血圧を緩和できることも研究によって明らかにされています」と語られた。

またダライ・ラマ法王は別の科学的研究について、「腹を立てているときには、物事は非常にネガティブに見えるものです。そのネガティブな印象の90パーセントはその人自身の心の投影であり、非現実的な迷妄に過ぎません」としてから、「現代科学は物質的発展に貢献してきましたが、仏教科学はそれよりもはるかに高度な科学であるといえます。なぜなら、注射や薬を用いらずとも、瞑想や他者を思いやることを通して苛立った心を調整し、穏やかな心を得ることができるのですから。瞑想はとても健康的な方法であると私は考えています。

仏教に関心を持つということは、死後の世界など抽象的な事柄について興味を持つことではありません。心身のウェルビーイング(健やかによりよく生きる)のために人間に本来備わっているもの——これを明らかにするのが今申し上げている仏教科学であり、この数年、科学的な研究分野としてますます発展してきました。

米国では、スタンフォード大学、ウィスコンシン大学、エモリー大学がすでに平和な人生を育むための研究としてこの仏教科学の研究をはじめています。また、インドに住むチベット人仏教僧は現在、通常の仏教のカリキュラムに加えて現代科学を学んでいます。

チベット仏教に関心を持っている西洋の科学者は、ユダヤ教徒、キリスト教徒、無神論者のいずれかですが、日本人であるみなさんの背景にはナーランダー大僧院の仏教の教えがあるのです。

究極的な現実に達するためには論理的に検証を行なうことです。それがしいては非宗教的な対話を行なっていくうえで大いに役立つことになるでしょう」と語られた。

会合に参加した善光寺の僧侶からは、「ダライ・ラマ法王と日本の僧侶が仏教について意見を交わしあえるという一生に一度あるかないかのすばらしい機会となった。ダライ・ラマ法王の御指導を賜った我々は本当に恵まれている」という声が聞かれた。

この会合は、全日本仏教会、長野県仏教会、長野市仏教界、全国善光寺会が主催した。長野の善光寺を大本山とする善光寺には日本全国に200の寺がある。

(翻訳:小池美和)

ダライ・ラマ法王来日報告3日目

2010年6月20日 長野 (チベットハウス・ジャパン)

Photoダライ・ラマ法王は今朝、約200名の日本人の僧侶と尼僧との会合を行なわれた。善光寺をはじめ、四つの日本の仏教教育機関がこの会合を主催した。

ダライ・ラマ法王は主催者にたいして、仏教に帰依する者同士が共に語り合える機会が作られたことへの謝意を表明され、「互いの知識を分かち合い、理解を深めることができるこのような会合は非常に重要です」と述べられた。

ダライ・ラマ法王は、チベットで仏教が普及した経緯を次のように紹介された。
「仏教がはじめてチベットに伝わったのは7世紀でしたが、具体的なかたちとなったのはインドのナーランダー大僧院の哲学者で論理学者であったシャーンタラクシタが8世紀にチベットに来られたときのことです。

仏教は、大まかにパーリー語とサンスクリット語の二つの経典に分類することができますが、中国、日本、韓国、ベトナムに伝わった仏教は、ナーランダー大僧院で用いられていたサンスクリット語の経典と同じものです。

『大乗経典』や『密教経典』は仏説ではないという意見もありますが、シャーンタラクシタ、ナーガールジュナ、ディグナーガ、ダルマキールティといった仏教の大哲学者が残した著作によれば、『大乗経典』や『密教経典』が仏説であることは極めて明確です」

対話セッションに入ると、災害などこの世の苦しみを解決するために仏教に何ができるか——に焦点が当てられた。ダライ・ラマ法王は、「他の宗教がそうであるように、仏教もまた、社会をより良く変えていくことができるすばらしい種を持っています。しかしながら、仏教の力だけではこの世の問題を解決することはできません。

この世の問題は人間が創り出した問題です。極端に自己中心的な態度や、ホリスティック(全体的)に物事を見ることができないがために造り出された問題なのです。この二つの欠点を分析し、改善していくという意味において、仏教はこの世の問題の解決に寄与できるといえます」と述べられた。

また、観音菩薩の化身であることについて訊ねられると、「私はひとりの僧侶であると同時に60億の人間のうちのひとりに過ぎません。私のことを生き仏と言う人もいれば悪魔と言う人もいます。どちらもナンセンスです。しかし、仏教徒は輪廻転生を信じていますし、私自身も前世の感覚を覚えることがあります。とりわけダライ・ラマ5世と13世には近しいものを感じています。

自分が菩薩の域に達したとか、菩薩の知恵を得たとか、そのようなことは一度も申したことはありません。しかし、仏教を実践する者として菩薩の知恵を経験してきたと申し上げることはできます」と述べられた。

Photo午後、長野市で最大のホールである長野ビッグハットにおいて、7000人の聴衆を前に『善き光に導かれて』と題する講演会が行なわれた。ダライ・ラマ法王はステージに上がられると、「みなさんにこうしてお目にかかれ、私の考えを分かち合えることをうれしく思います」と挨拶を述べられた。

会場の人々が全員で般若心経を唱えたのを受けて、ダライ・ラマ法王は般若心経の説法をはじめられ、空と無我について簡単に説明された。

本題に入られると、「人間は社会的な動物です。私たちは互いに依存しあっています。本物の友情と愛情を築くうえで重要なのは信頼です。この信頼が幸せな家庭の基盤となり、さらには幸福な社会の基盤となります。つまり、私たちの生活の土台には他者への愛情があり、この人間的な愛情が幸福な人生の鍵となっていくのです。

私たちはだれもが母親から生まれました。その母親の愛情なしにはこの世に生まれてくることはなかったのです。そのことを思うと、道徳、内面的価値、愛、慈悲を育むことの大切さについて考えずにはいられません。

Photo道徳は、宗教だけの問題ではなく世俗的なアプローチが取られていかなければならない問題です。もっと普遍的に扱われていく必要があると思います」と語られた。

質疑応答に入り、テロ行為に関して質問されると、「‘私’‘あなた’‘私たち’‘彼ら’というふうにあまりにも区別するのはよいことではありません。私たちはみなこの地球で暮らしているのですから、隣人の問題は自分の問題と同じなのです。テロ行為は人間が作った問題です。憎しみを解決していくというよりは、人間の感情のレベルの問題として解決していかなければなりません」と述べられた。

日本の若者へのメッセージを求められると、「英語を身につけ、日本の外のことにまで目を向けてほしいと思います。世界で起きていることを自分の目で見て、自分にできることを見つけて貢献していただきたいと思います」とアドバイスされた。

また、ご自身の英語力について、「私がしゃべるようなブロークンイングリッシュでも世界中どこへ行ってもとても役に立っています」と述べられ、会場を笑いで包まれた。

明日、ダライ・ラマ法王は長野市内の西方寺を訪問され、同寺の観無量寿経立体マンダラ堂の完成に伴い、仏像開眼法要、胎内仏奉納、四聖諦(四つの聖なる真理)についての法話を行なわれる。夕刻には石川県金沢市に向けて出発される。

(翻訳:小池美和)


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