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チベット民族平和蜂起61周年記念日における主席大臣の声明

2020年3月10日

1959年3月10日、独立国家であったチベットを不法に占拠した中国に対し、チベット人は蜂起しました。ラサの町の通りに大勢のチベット人が押し寄せ、拳を高く掲げて、こう訴えました。「Boo kyi dakpo bhoemi yin!」「チベットはチベット人のものだ!」

ダライ・ラマ法王14世は、自叙伝『チベットわが祖国』のなかで、3月10日について「ラサの歴史の中で最も重要な、命運を決した日」と記されています。
「まるで、いつ噴火してもおかしくない二つの火山の間に立っているかのようでした。片方では中国の政府に対してチベット人が団結して確固たる抗議運動を行い、もう片方では、強力で攻撃的な人民解放軍が武装して侵攻していました」

中国は、チベット人の平和的なデモ活動に、暴力で応じたのです。当時の在ラサ・インド総領事が、中国の人民解放軍は武器を持たないチベット人に対して「迫撃砲、マシンガンおよびあらゆる自動兵器」を使用したと伝えています。

その日から61年目の今日、私たちはここに、そうして勇敢に戦ったチベット人たちに敬意を表し、また、現代のチベットに自由と平和を取り戻すための戦いのなかに彼らの払った犠牲から学ぶために、集いました。60年にわたって、チベット本土のチベット人は、弾圧と迫害による不法占拠に耐え続けています。現代社会の中で普通のチベット人が中国の支配下に暮らすというのはどういうものでしょうか。

つい先日発表された2020年のフリーダムハウス・レポートは、5年連続してチベットを、シリアに次いで世界で2番目に自由度の低い地域に挙げました。国境なき記者団は、2019年の世界報道自由指数の報告のなかで、これまで以上に報道に対する規制が強化されていることを伝えています。2020年のヒューマン・ライツ・ウォッチの報告では、中国がチベットでバイリンガル教育政策を政治的に展開しているためチベット語が危機に瀕しているといいます。チベット人に対する抑圧が継続し強化されていることを裏付けるこうした事実は、チベット本土のチベット人たちが中国の占領下で抵抗を続けながら日々を暮らしていることを物語っています。

2009年以来、154人ものチベット人が焼身抗議を行いました。一番最近では、ンガバ・メルマ町に暮らしていた24歳のヨンテン氏が、2019年11月26日に焼身抗議を行い、亡くなりました。

2015年のニューヨークタイムズのドキュメンタリーのなかで、チベット語保護活動家であるタシ・ワンチュク氏は、「非常に大勢のチベット人が焼身抗議を行いました。今、私は彼らがよく理解できます。問題を解決する方法がほとんどないのです」と述べていました。2016年初め、ワンチュク氏は逮捕され、2018年に5年の懲役刑を科せられました。「分離主義を扇動した」というのがその理由でした。今年の1月27日、千人近い作家や言語学者、翻訳者、言語活動家たちが、ワンチュク氏の即時釈放を求めてPEN Americaが発行した公開書簡に署名しました。

また同様に、キルティ僧院の22歳の僧侶ソナム・パルデン氏も2019年9月から今なお隔離拘禁されています。パルデン氏はWeChatの投稿で中国によるチベット語に対する政策を批判したとされています。ヒューマン・ライツ・ウォッチが、チベットにおいて幼稚園レベルで中国語教育が義務化されていることを確認しました。2019年から、ゴロクの中国当局は小中学校での教育をチベット語ではなく中国語で行うことを義務化しました。ナグチェンでは、中国当局は学校の休暇期間にチベットの子供たちが僧院の言語クラスに参加することを禁止しました。当局はチベット語の学習を「違法」としたのです。

去年の11月には、チベット東部のセルシュルで、7人のチベット人が平和的抗議を行って逮捕されました。抗議の後、30人の僧侶や在家信者がダライ・ラマ法王の写真を所持している疑いで拘束されました。45歳のワンチュク氏は、WeChatを通じてダライ・ラマ法王の書籍をシェアしたという容疑でシガツェで拘留されて以来、今も居場所が不明です。

2019年11月の中国政府の政令第13号は、チベット仏教を中国に同化し宗教に厳しい制限を課すことが目的でした。昨年、中国政府は、現在も解体が進むアチェンガル仏教僧院から7100人の僧侶や尼僧、信者たちを強制退去させました。その多くは「愛国再教育収容所」と呼ばれる施設に強制収容されました。中国共産党は、引退したすべてのチベット人の党幹部に対し、宗教活動に参加することばかりか、聖地への巡礼さえも禁止しています。

今年1月に開催された、第11回チベット自治区人民会議の第3セッションでは、強制的な「民族的統一」が法制化されました。2020年5月1日に施行されるこの法律は、異民族間の結婚や中国人移民への助成をはじめ、チベット民族を中国に同化する政策を合法化するものです。中国への同化は問題であり、解決策ではありません。

昨年、中国の習近平国家主席のネパール訪問中に、同国と中国の間で秘密裏に条約が締結され、中国とミャンマーの間でも同様の経済条約が締結されました。後者はチベット、新彊および台湾を「中国の不可譲地域」としています。これらは中国が政治的課題を優位に進めるために行う経済的影響力の濫用と言えます。

こうした状況の中、国際社会に私たちの問題を知ってもらうことは非常に大事なことなのです。チベット人とともにこれに立ち向かってくださる支援者の方々に感謝し、また、毎年、想像を絶するような事実を伝えることで私たちの問題の真実を支持してくださる国際組織に感謝します。

今年の1月28日には重大な出来事がありました。アメリカで、チベットに関する政策と支援のための法律(HR 4331)が下院で圧倒的な支持により可決され、アメリカのチベット支援が強化されました。この場をお借りして、すべてのチベット人を代表して、ナンシー・ペロシ下院議長、ジェームズ・パトリック・マクガバン議員(民主党)、クリストファー・ヘンリー・スミス議員(共和党)をはじめ、この法案を支持してくださったすべての超党派議員の皆様にお礼申し上げます。上院もこの法案を可決することを期待しつつ、マルコ・ルビオ上院議員(共和党)およびベン・カーディン上院議員(民主党)のリーダーシップにも感謝の意を表します。

2019年10月、サミュエル・デール・ブラウンバック米国特別大使は、ダラムサラを公式訪問した際、ダライ・ラマ法王とチベット人に対するアメリカの支持をあらためて表明しました。ブラウンバック大使は、ダラムサラのチベット亡命政権を訪問した米国政府で最高位の方です。大使は中国に対し、25年前に拉致され行方不明のパンチェン・ラマ11世の即時解放を求めました。大使はまた、第8回チベット支援グループの国際会議、および昨年開催された第3回特別総会で採択された、転生についての決議への賛同を表明しました。第14回チベット宗教会議も、ダライ・ラマ法王がその転生について唯一の権限を有することを宣言しました。

オランダ政府、ベルギー政府もそれぞれの立場を明確にしています。ベルギー政府は、ダライ・ラマの転生についての決定はチベット仏教社会であり、他の  国家権力の干渉を受けないと表明しました。

中央チベット政権は、2019年5月に世界中のチベット人によるダライ・ラマ法王に捧げるご長寿祈願を開催しましたが、そのなかで、ダライ・ラマ法王は、110年以上生き続けるとあらためて述べられました。ダライ・ラマ法王に対する私たちの深い感謝の念は言葉ではとても表せませんが、2020年の一年は、ダライ・ラマ法王に感謝し、そのご功績と4つのコミットメントを祝う年にしたいと考えます。世界中のチベット人と友人の皆様に、ダライ・ラマ法王のコミットメントの認知を高める活動を、皆様のできる範囲で活動を展開していただきますようお願いします。

国連人権高等弁務官ミシェル・バチェレ氏が、今年新疆ウイグル自治区を訪問すると最近発表され、私たちは大変うれしく思います。しかし、バチェレ氏にはチベットも訪問していただき、チベット人の人権が侵害されている状況をご覧いただくために中国に対して自由なアクセスを求めていただくよう、強く希望します。

ダライ・ラマ法王と中央チベット政権の賢明なリーダーシップの下で、南アジアのチベット人は世界で最も成功し効果的な亡命コミュニティの一つとして注目されるようになりました。中国政府がもしもチベット問題はそのうちに失速すると期待しているならば、私たちは運動を続けていくと明確に宣言したいと思います。チベット本土のチベット人の不屈の勇気は、私たち亡命チベット人に、チベット人のコミットメントを強化するように刺激し続けてくれます。チベットの平和は、中道のアプローチによってのみ回復できます。したがって、中国政府は法王の代表者団との対話を再開しなければなりません。

チベット三州に暮らすチベット人と、亡命チベット人は、ともに力を合わせ、チベット本土のチベット人の願いを実現するために活動を続けています。自由な環境に暮らす私たちには、同胞の人々を守り、チベットの主張を推し進める責任があります。

現在、新型コロナウイルスは世界中で保健衛生上の緊急課題となっています。皆様には感染予防を徹底していただきますようお願いいたします。感染地域のすべての国々や人々に、私たちは祈りを捧げます。チベット本土でも感染者は100名以上と推測されますが、中国では言論の自由と透明性が欠如しているため、実際の数は明確にわかっていません。私たちは、感染したチベット人の方々に心よりお見舞い申し上げ、ウイルスの拡散が即時収束することをお祈りします。

カシャックは、この場をお借りして、偉大なインドとその国民の皆様、世界中のチベット支援グループをはじめ、チベット人の重要な今この時期にチベット人とともにチベットの主張を支援してくださる各国政府、国会議員、個人・団体支援者の皆様に、深い感謝の意を申し述べます。チベット本土に人権と正義が勝利する日まで、どうぞ私たちにお力をお貸しください。

最後に、私たちの最も尊敬する指導者ダライ・ラマ法王の健康と長寿を心よりお祈りいたします。1959年3月、法王は非常に困難な状況の中、亡命を余儀なくされました。チベット内外に暮らすチベット人がひとつになり、基本的自由が回復された祖国チベットにダライ・ラマ法王が戻られる日が一日も早く訪れることを願ってやみません。

ボギャロー


主席大臣
2020年3月10日
(翻訳:植林秀美)

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