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チベット亡命政権憲章第59条に基づく第三回特別総会決議『第二議題項目、ダライ・ラマ法王の系譜と、チベット人の関係性について』

2019年10月3日・5日
序文

物質世界と精神世界の象徴であり、全ての仏の慈悲を体現する聖観音(Chenrezig)は、永劫の間、「成熟」、「徳を積むことの極み」、「知恵」の3つを体得し、「解脱への誤った妄信」と、「全知への妄信」の2つの妄信に取り組み、その原因となり得る要素さえも取り除いただけでなく、菩薩として絶え間なく偉大な業を行い、この全宇宙を包み込んだ。それにより、彼は既に完全な仏の道を体得し、涅槃に入った。それにも関わらず、聖観音は、生けるものの性質、傾向、気性に合わせ適切に、それらの者たちの煩悩を沈める役目を務めるという、想像を絶する偉業を果たした。

生けるもの全てを手なずける程の奇跡をおこなった聖観音について、「宇宙とは、計り知れない空間の広がりであり、聖観音(Chenrezig)が生み出す奇跡は、この世に存在する途方もない数の生命の数にも及ぶ。膨大な数の奇跡を起こしたが、体毛の一本すら引っ張られることもなく、厚い雲が雨を降らせるようにごく自然なかたちで、あなたはそれらを実現された」と言われている。

このように、聖観音が過去に起こした様々な数えきれないほどの奇跡は、想像を超えた素晴らしいものであった。しかしながら、その計り知れない功績は、聖なるインドの地にて、36文字のアルファベット表記が一般的に使用されるようになった時代にまで遡り、雪に覆われ、他の仏陀たちや、スピリチュアルリーダーを信仰の対象としなかった雪国チベットの地においては特に、聖観音が主な信仰の対象としての役割を担った。そのことから、「遠い昔、仏陀がまだ竹林に住んでいた頃、眩い光がチベットの地を覆い、彼の顔に笑みをもたらした」と言い伝えられている。

除蓋障菩薩(サルヴァニヴァラナ・ヴィシュカンビン)が、ブッダ に微笑みの理由を聞くと、ブッダ は「過去に3度も、他の仏陀たちによる精神的救済の機会を逸している、雪国チベットの地が、聖観音の慈悲と、優しさにより、まるで太陽がのぼるような光に包まれた、仏教が発展する地へと生まれ変わることが出来た」と答えた。

また、聖観音のみが、断絶された雪国チベットにおいて、生けるもの全てを統治し、他の仏陀たちがそれに成功しなかったのには特別な理由がある。これは過去に、集まった数千もの仏陀たちの前で、聖観音が誓いを立てた時に遡る。聖観音は、この猛々しい遠方の地のすべての保証人となり、彼らを精神的な救済に導かれんことを祈った。これは聖観音の誓いのようなものであったと伝えられている。また、カダム経典(Kadham Legbham)の文献には、次のように書かれている:「天女たちは、バジュラの詩の中で、聖なるブッダガヤの地から北の方向に、チベットと呼ばれる退廃した地があると書いている。空を押し上げるほど高い山々に覆われ、その低地にはターコイズ色のマンダラのような湖があり、雪山は水晶で出来た寺院の如く、金塊にも似た黄金色の草原を持ち、薬草で出来た香の香りが漂っている」。同様に、その書物には「雪山の観音様よ!あなたの在るところが、聖なる国となり、その地があなたの教えを必要としている。」とも記されている。

そのため、様々な顕教や密教で予言されているように、聖観音は最初にまず人類をつくり出し、広げ、次に世俗的な物質で、自身の子孫である人間たちを満たした。そして、最後の仕上げとして、彼らに精神的な成長をもたらした。その系図は、多羅菩薩の祖先を始まりとしている。その後、チベットの王、ニャティ・ツェンポが生まれた。3人の偉大な仏教徒の王であった、ソンツェン・ガンポ、ティソン・デツェン、そしてティ・ラルパチェンから代々受け継がれた役割にならい、翻訳や学問を行う菩薩となり、無知による妄信のために暗黒化されてしまうチベットを、仏教という月の光で輝かせた。このために、チベットは即座に、長期にわたる繁栄、成功、そして至福で満たされた。

そして聖観音は、全知全能の神、ツォンカパ(ゲンデュン・ドゥプバ・パルサンンポ / ダライ・ラマ一世)の弟子として公の場に姿を現した。カダム経典(Kadham Legbham)の中で、「聖観音は、パルサンポ尊師の生まれ変わりとして生を受けた」と記されている。そこで書かれているように、ゲンデュン・ドゥプバ・パルサンポは、マルーン色の法衣を纏い、気高い偉業を成し遂げるべく任命された僧侶を忍耐強く見守る監督者であったと、文献に残されている。

4代目の転生まで、聖観音はチベット仏教の黄帽・ゲルク派の伝統の擁護者であったばかりでなく、その汚れなく真実を見極める力から、その他のチベット仏教の象徴でもあった。そうして、聖観音は、チベットとモンゴルの地全体に、仏教的教えの火を灯した。

比類なき思いやりの庇護者である、法王の系譜について、文殊菩薩の原典には、「この世に仏陀の教えが尽き、終焉を迎えるとき、その教えの偉大な監視者が間違いなく現れる」と記されている。

チベット - その民、国家、宗教、そしてガバナンス - 全体が、その全ての強さとバイタリティを吸い取られ、まるで医師に見放された末期患者の如く、失望の底に沈んでいた頃、ダライ・ラマ法王5世が現れ、白傘の心地よい陰のもと、チベットの民の福祉が保障された統治システムの、ガンデンポタン政庁(百重の幸福)を設立された。それからは、比類なきダライ・ラマ13世の時代まで、チベットの国家とその民は、計り知れない程の感謝と保護を受けてきた。

特に、過去のダライ・ラマたちは、偉大なる慈悲に溢れ、雪国チベットの領土、そこに住む自然や人々、更に、世俗に則った政策による統治に対する慈愛の念、絶えることない保護を誓い、常に忠実に実行していた。その時代には、ダライ・ラマ法王は、論争をうむことなく、継承されていた。過去のダライ・ラマたちは、望まれる通り、スピリチュアルな面において、更には、バターランプの灯が、油切れによって消え絶えてしまったかのように、国が統治力を失ってしまった時には一時的に、自身の責任ある役割を担った。

ダライ・ラマ法王の転生の発見と承認のプロセスは、チベット仏教では、転生の承認が独自の歴史的な伝統として、13世紀から今日に至るまで完全なかたちで保護されており、確立されている。

ダライ・ラマの継承とチベットの人々との関係は、頭と首、身体と地面に映るその影のように、切り離すことが出来ないものである。それゆえに、ダライ・ラマの系譜の継続は、雪国チベットの人々のためにも、転生の継承を通して後世に残されていくことが期待されている。今回、特別総会のために、24か国からチベット人の代表として集まった340人の代表者は、下記に羅列された決議の採択が必要不可欠であると考えている。


決議
  1. 特別総会は、全てを見通す目のようであり、チベット国家に関わるチベットの人々の胸に宿る、至高のリーダーであるダライ・ラマ法王14世がこれまで通り、現在、そして未来永劫、チベットにとって最上の保護者であり続けることを願っている。
  2. チベット国内および、亡命先に住む全てのチベット人に代わり、特別総会は、雪国聖地チベットに生きるものがあり続ける限り、ダーマとその地に住むものたちの為にも絶対に、ダライ・ラマ法王の系譜の転生が続くことを、心を一つにしながら、異口同音に願っている。
  3. 特別総会は、ダライ・ラマ法王の転生の発見と承認のプロセスの、全ての方法と決定権はダライ・ラマ法王と、ガンデンポタン基金財団の、権限を与えられた責任者のみが持ち、その他のいかなる組織、国家、政府、団体、個人も、それを有さないものとする立場を取る。
  4. 特別総会は、チベット仏教全般、中国政府の転生の発見と認証のプロセス介入への試み、特に、チベット仏教のトゥルク(転生者)とラマ(高僧)の転生の承認の問題において、ダライ・ラマ法王の転生の承認を妨害する意図によって強要されている、2007年に発布された第5命令を、断固として拒否することを、満場一致で採択した。


この特別総会の議題の一つ目について、中央チベット政権の55のビジョンにも記されている通り、当特別総会の他の委員会の意見や提案、そしてチベットの国民一般から書面によって寄せられた意見や提案は、カシャク(内閣)とチベット亡命政権によって審議され、施行されるものとする。

2019年10月5日にあたる、チベット暦2146年、亥年、8月7日に行われた、チベット第三回特別総会にて、満場一致で議決された。


  • ペマ・ジュンネ(Pema Jungney・チベット亡命政権 議長)
  • アチャリア・イシェ・プンツォク(Acharya Yeshi Phunksok・チベット亡命政権 副議長)
(翻訳:A.I.)

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