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ダライ・ラマ法王14世ノーベル平和賞受賞29周年を記念してのカシャック(内閣)の声明

2018年12月10日

中央チベット政権第15代カシャック(内閣)はここに、偉大なるチベットの指導者ダライ・ラマ法王14世に深い敬意と感謝の念を捧げます。ダライ・ラマ法王は、チベット本土のチベット人に自由を取り戻すために40年近くにわたって非暴力の運動を続けられました。その活動に高い評価を受けられ、29年前、ノーベル平和賞を受賞されました。

ダライ・ラマ法王はその受賞スピーチのなかで、こう述べられました。「世界中のどの地に住んでいても、私たちは誰もが基本的に同じ人間です。私たちは皆、幸福を求め、苦しみを避けようとします。誰もが人間として基本的に同じものを求め、同じことに関心を持ちます。私たちの誰もが自由を望み、個人として、そして民族として、自らが進む方向を自ら定める権利を望みます」

ダライ・ラマ法王の簡潔ながらも力強いお言葉は、今日の政治論や人々の信条に強く共鳴するものです。アムド地方の小さな村タクツェルでお生まれになった幼い少年は、その優しさと、強固な非暴力の姿勢により、やがて何百万人もの人々の心を魅了していきました。ダライ・ラマ法王の教えは、一般の人々から、強い影響力のある世界の指導者たちまでが、生き方の指針とし、全人類の平和と調和を達成する手段として実践しています。

現在、ダライ・ラマ法王は、古代インドのナーランダーの伝統を復興させようとご尽力されています。著名な科学者たちとの対話に積極的に臨まれ、人間の心と感情のはたらきを理解し、またその成果を現代教育に組み入れて、今後何世代にもわたって人々が真の幸福を享受できるよう取り組まれています。ダライ・ラマ法王は、これまで幾度にもわたって、信仰の枠を超えてナーランダーの伝統を学ぶことは重要であると、強く訴えられています。この取り組みを全面的に支持してくださるインドの中央政府や州政府に深く感謝しております。

本日は世界人権デーでもありますが、今年は世界人権宣言70周年を迎えました。世界人権宣言第1条は、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と宣言していますが、国際人権のマイルストーンともいえるこの宣言に盛り込まれた基本原則が、中国共産党政権下のチベット本土では、踏みにじられています。

チベット本土のチベット人は、拘束、投獄され、拷問を受け、消息不明になるなどしています。中国共産党がチベット人の言論の自由、信教の自由、集団の結成の自由、集会の自由、旅行の自由を制限していることは、国際的にも様々なメディアで報告されています。世界が尊重する世界人権宣言に反することを、中華人民共和国はチベット本土で実行し続けています。

中国共産党は、チベット人の巡礼や家族を訪ねる旅行に対する制限を強化しています。旅行許可の取り消しや、パスポートを無効にするだけでなく、必要書類を取得することも非常に困難になりました。

最近では、チベット自治区と呼ばれる地域の公安局は、『地下組織による犯罪と違法行為の報告』と題した通達文を発行しました。ここには中国政府が違法とする22項目の活動が挙げられ、その中には原住民族の言語、環境、チベット中央政権の中道のアプローチに関する情報の広報活動などが挙げられています。チベット人は、同じチベット人がこうした「違法な」活動を行った場合、中国当局に報告することを求められています。この「違法行為」はチベット自治区と呼ばれる地域以外のチベット人居住区でも適用されています。

中国の鉱業は、急成長を続けている一方で、チベットの脆弱な生態系を破壊し、チベット人の伝統的な生活様式を脅かしています。過度の鉱業とダム建設により、ジョムダ県のドリチュ川やチャムド市のペイユルなど、さまざまな地域で土砂災害や洪水などの被害が増加し、何千人もの地元のチベット人が避難を余儀なくされました。

こうした悲惨な状況の下、先月、ンガバ出身の23歳のドポという名の青年が焼身抗議を行いました。チベット人の焼身抗議者は2009年から数えて153人となりました。焼身抗議を行った者一人ひとりが、チベットにおける中国の不法占領の終結と、ダライ・ラマ法王のチベットご帰国を訴えていました。

このような困難な時期にあっても、影響力を持つ国々がチベット人の正義と道徳的主張を支持してくださることは、我々の大きな励みです。国連人権理事会の第3回人権査定では、合計13の加盟国が中国に対し、チベットにおける人権状況の悪化、特に宗教の自由、表現の自由、集会の自由、そしてチベット語保護活動家タシ・ワンチュク氏の懲役について、質疑を行いました。国連における多国的アプローチには中国にその法を守らせる強制力があります。

国レベルでは米国が2018年9月、チベット相互入国法案を可決するという、過去に例のないほどの前進を果敢に実行してくださいました。アメリカ人がチベットに入国しようとした際に中国当局が拒否した場合、中国当局者の訪米を拒否するという超党派の法案で、米国上院外交委員会は、同法の導入を全会一致で承認しました。米国上院が中国の不公平な慣行や外交関係の悪用をなくす運動を続けてくださることを大いに期待しています。

過去60年にわたって、基本原則を守る多くの国々と市民の方々が我々の味方となり、共に行動し、チベットに自由を回復する運動にご尽力くださっています。世界中のチベット支援者の皆さまに感謝の意をお伝えするために、中央チベット政権カシャックは2018年を「感謝の年」と定め、インド、ドイツ、カナダ、米国、オランダ、オーストラリア、スイスなどをはじめとする様々な国で謝恩イベントを開催しました。亡命から60年、チベットは多くの支援者を獲得してきましたが、古くからの支援者の皆さまも決して忘れることはありません。すべての支援者の皆さまに、厚くお礼申し上げます。

中国は国際的にますます力を増大させています。しかし、その中国に欠けているのは道徳的立場です。道徳的立場にあるのはノーベル賞受賞者であるチベットのダライ・ラマ法王14世であり、そしてそれは、世界が認めています。したがって、中国はダライ・ラマ法王の提唱する中道のアプローチを受け入れるべきなのです。中道のアプローチでチベット人が求めるものは、中国憲法の下の真の自治権であり、チベット問題を解決する相互に有益な提案です。中国政府がチベット人の基本的権利を尊重するまでは、中国は国際社会から敬われることはないでしょう。

世界中で600万人のチベット人が、そしてその他の何百万人もの人々が、平和で幸せな人生を送る導師として、ダライ・ラマ法王を慕っています。中国政府も、今からでも正しい道を選ぶのに遅すぎることはありません。

最後になりましたが、偉大なるチベットのダライ・ラマ法王14世のご健康とご長寿を衷心よりお祈り申し上げます。法王のすべての願いが満たされますように、チベット問題が一日も早く解決しますように、祈念いたします。


2018年12月10日

カシャック

(翻訳:植林秀美)

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