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第58回チベット民主化記念日におけるチベット亡命政権内閣の声明

2018年9月2日

世界中で民主主義の未来が脅威にさらされている今、私たちはここに、チベットの偉大なるダライ・ラマ法王14世から授かったチベットの民主化58年を記念して集いました。内閣(カシャック)と6百万人のチベット人を代表し、ダライ・ラマ法王に深い感謝の意を捧げます。

ダライ・ラマ法王は幼少のころより、すべてのチベット人のための現代民主主義を視野に入れておられました。民主化へのプロセスは、チベットで1950年代に改革委員会の発足をもって始まりました。しかしこの改革は中華人民共和国の不法占拠により妨げられました。

ダライ・ラマ法王は、亡命を余儀なくされてもなお、民主化への夢を捨て去ることはありませんでした。インドに到着されたダライ・ラマ法王が最初に宣言されたなかに、亡命政権での民主制度の確立がありました。1960年のこの日、チベット亡命政権第1回代表者会議には主要3地区とチベット仏教の主要4宗派の代表者が出席しました。その後、1977年にはボン教もこれに加わりました。

亡命チベット人憲章には民主主義が導入され、法律の制定、内閣の選出、これらの適宜改訂の実施が定められ、主席大臣の直接選挙が行われることとなりました。

1992年に亡命チベット最高司法委員会が発足したことで、民主主義のバランスを確認しながら保つ、立法、行政、司法の3つの柱が完成しました。さらに独立した監査委員会、公共サービス委員会により信頼性と透明性を確保しています。

2011年に、ダライ・ラマ法王はご自身の政治的リーダーの役割を、民主的な選挙により選出された指導者に委譲されました。国会やチベット人はチベットの国家元首として留まっていただきたいとの度重なるお願いを続けましたが、ダライ・ラマ法王のお考えは固く、これにより、民主主義制度への移行が完了しました。

チベットのこの特殊な亡命民主政権は、チベット本土に暮らす同胞たちの真の望みを反映したものであると同時に、中国の不法占拠下の苦境を世間に知らしめる役割も担っています。

世界で最も著名な独立監視機構のヒューマンライツ・ウォッチ、アムネスティ・インターナショナル、フリーダムハウスは、チベットで行われている人権や宗教の自由の迫害を常時伝えています。さらに、今年7月米国国務省が信仰の自由を推進する初の閣僚会議を開催し、マイク・ペンス米国副大統領は「70年近くもの間、チベット人は中国政府に抑圧されてきた。チベット人の信仰と独自の文化を守る戦いは、今なお続いている」と述べました。

現実として、チベット本土における宗教の抑圧は現在も続いています。中国政府は先ごろ、ショトン(チベットオペラ祭)が行われた間、ラサでの警備が強化され、ラサ中学校の生徒の保護者達は、夏季休暇中に生徒たちに一切の宗教活動に参加させないよう誓約を強制されました。カムのザチュカ地方では、若い僧侶や尼僧たちがそれぞれ僧院、尼僧院を退去して共産党が運営する学校に移るよう強いられました。

中国政府によるチベット人の宗教活動に対する干渉が各所に広がっていますが、1980年にチベットに関する各種政策が定められ、チベットの特殊な宗教的アイデンティティと文化は認められており、中国政府の干渉はこれに対する明らかな違反です。一例を挙げると、文書第31号にはこう記されています。「すべての中央政府のガイドライン、政策、指導、規則は、チベットの実際的な条件に適さない場合は拒否または適応させることができる」

中国によるチベット本土における抑圧的政策は、仏教は中国文化の発展に役立つとの習近平国家主席自身の言葉に反しています。このほか、先ごろ李克強国務院総理や汪洋全国政治協商会議主席など著名な中国の指導者たちがチベット自治区を訪問しましたが、そこでも、チベット人を中国人に変えようとする組織的活動に、仏教指導者たちが利用されています。特に汪洋は仏教指導者たちに対し、「国家の再統合、民族統一、社会の安定をさらに堅固にするために、すべての分離主義分子と戦う勇気を持て」と要請しました。

信教の自由の権利は、1948年の世界人権宣言により、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」と定められ、絶対的な権利となりました。

中国政府に対し、彼らが自ら施行した法令を守り、刑罰を与えるなどの重大な人権侵害をやめるよう求めるべきときが来ています。

ダライ・ラマ法王のリーダーシップのもと、中央チベット政権はチベットの民族意識と威厳を守っていく考えです。

数年にわたる計画の後、2017年にカシャックは、ダライ・ラマ法王の「最善を望み、最悪に備えよ」とのご助言により、5 / 50ビジョンを打ち立てました。このビジョンは、中道のアプローチに基づき5年間でチベット問題を解決する最大限の試みを実施し、同時に、チベット中央政権は必要であればその後50年にわたってチベット人の自由とアイデンティティを維持する活動を行うというものです。私たちの計画は、今後50年にわたって亡命生活を続けるというものではなく、必要があれば今後50年のために計画するというものです。

5 / 50フォーラムの第1回は2017年10月に開催され、専門家、学者、戦略家、チベット支援者が集まり、チベットの政治的未来をどのように設計するかを話し合いました。先月、5 / 50ユースフォーラムが行われ、15か国から100名の若者が一堂に会し、チベット人の自由のための運動をどのように強化していくのか討議しました。今月は3回目の会議を行い、「強固なチベット・コミュニティ」を形成するための議論を交わします。文化の保護、教育、経済発展、ヘルスケアについて革新的な解決策を検討するものです。

さらにカシャックは、独立や同化ではなく、チベットの憲法の中でチベット人の真の自治を求める中道のアプローチを基本に、中国政府との対話のプロセスを継続するために全力を尽くしています。2014年以降、中道政策について一般市民やNGOに知ってもらうための試みも多岐にわたって実施してきました。カシャックと国会は、インドをはじめ世界中の指導者たちにチベット問題の平和的解決への支援を継続して求めています。2014年と2016年に、ホワイトハウスは正式に中道のアプローチを承認し、支持を表明しました。中国に対し、ダライ・ラマ法王の代表団との公式対話の再開を支持し要求するこうした表明に感謝します。

今年はダライ・ラマ法王が政治的指導者の地位から退位されて7年になります。民主主義は責任を伴うものであることを認識することが大事です。言論の自由や表現の自由とは、誤った情報を広めて調和を乱すことではありません。私たちの団結を壊すために民主的な権利を利用することは、チベット本土で始まったダライ・ラマ法王の民主的なビジョンに反するものです。

私たちは60年前にブッダガヤでチベットの指導者たちがチベット人を代表して行った偉大なる宣言Na-gaen Thuwozcheを決して忘れてはなりません。ダライ・ラマ法王14世のリーダーシップのもと、鉄のボールのような確固たる団結が、チベット人コミュニティの基盤なのです。

私たちチベット人の民主主義を繁栄させるためには、チベット人一人ひとりが、このコミュニティを認識し、その調和が破壊されることのないよう努める責任があります。ダライ・ラマ法王はこれまでチベット人に対して再三にわたってチベットのために団結するよう求められました。カシャックはこれまでもこれからも、このご助言に忠実に従うことを誓い、同時にチベット人一人ひとりにも、これを守っていただくよう求めます。

この場をお借りして、チベットの自由を求めて活動を共にしてくださる古くからの支援者の皆さま、新しい支援者の皆さまに、お礼申し上げます。特にインド政府とインド国民の皆さまに、ダライ・ラマ法王への最高の敬意を表し、亡命チベット人を受け入れてくださることに対し、感謝の意を表します。

チベットの精神的指導者ダライ・ラマ法王14世の描かれる民主主義のビジョンが今後も発展するよう、これまで以上に強く団結しましょう。ダライ・ラマ法王のご長寿を共に祈り、チベット本土のチベット人の願いを実現させるよう力を合わせて尽くしていきましょう。

2018年9月2日

カシャック

(翻訳:植林秀美)

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